微細藻ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の機能性食品や化粧品を販売し、バイオディーゼル燃料の研究開発でも注目を集めるユーグレナ[2931]。
今回は、ユーグレナ[2931]の株主総会に出席してまいりましたので、株主総会のレポートをお送りしたいと思います。
2015年、9社目の株主総会レポートです。
Contents
- 1 開催場所は東京国際フォーラム
- 2 ユーグレナ[2931]の株主総会
- 2.1 事業報告:連結業績状況
- 2.2 連結キャッシュ・フロー
- 2.3 ユーグレナ[2931]の子会社と事業内容
- 2.4 バイオディーゼル燃料
- 2.5 質疑応答(一部)
- 2.5.1 Q.ユーグレナ研究所から送られてきたユーグレナレポートには「中性脂肪を抑制する」「乳酸菌の活動を活発化する」「プリン体の吸収を抑える」他…などの効果が書いてあるが、ユーグレナの機能や効果について商品で効果を訴求できないのか?
- 2.5.2 Q.株主還元のひとつである配当金についてどのような考えか?
- 2.5.3 Q.原油価格の低迷により、バイオディーゼル燃料の価格も連れ安となるかと思うが、どのように考えているか?
- 2.5.4 Q.バイオディーゼル燃料の実用化計画で、いすゞ自動車[7202]と全日本空輸[9202]をパートナーに選んだ理由は?
- 2.5.5 Q.Facebook広告のコメントに「緑汁はマズくて飲めなそう」と書いてあった。飲んだことがない方のためにに「試飲」を行うなどの計画はあるか?
- 3 ユーグレナ[2931]の主要指標と株価チャート
- 4 まとめ
開催場所は東京国際フォーラム

2015年9月期のユーグレナ[2931]株主総会会場は、東京国際フォーラムBホールの7階です。
株主総会招集ご通知に記載の通り、総会土産の配布等はありません。
参加者は、圧倒的に年配の方が多いです。夫婦で参加されている方も多く見受けられました。
勝手な憶測に過ぎませんが、ユーグレナ[2931]の緑汁を夫婦で愛用しつつ、ユーグレナのオイルから抽出したバイオディーゼル燃料で車や飛行機が動く「夢」を株主としていっしょに見たい!という方が多いのかもしれません。
ユーグレナ[2931]の株主総会
事業報告:連結業績状況
ユーグレナ[2931]連結業績状況(単位:百万円) | |||
2013年9月期 | 2014年9月期 | 2015年9月期 | |
売上高 | 2,091 | 3,046 | 5,924 |
営業利益 | 176 | 142 | 476 |
経常利益 | 264 | 191 | 726 |
当期利益 | 482 | 118 | 469 |
EPS(円) | 7.41 | 1.56 | 5.85 |
ユーグレナ[2931]の2015年9月期の売上高は前期比から約2倍となる5,924百万円。
ユーグレナの直販ECサイト「ユーグレナ・ファーム」の売上高は前期比の約3倍に成長、かつM&Aで連結子会社化したユーグレナ・アートとエポラが連結に入ったことも寄与しています。
2016年9月期の業績予想は、
- 売上高 11,086百万円
- 営業利益 601百万円
- 経常利益 826百万円
- 当期純利益 540百万円
と、売上高はほぼ倍増の予想です。
2015年9月末時点でのグループECサイト(ユーグレナ・エポラ)の顧客数は9.2万人ですが、2016年9月期の目標はECサイト顧客数「15万人」。
利益は引き続き広告宣伝費、研究開発費に投資するということなので、これは、ユーグレナ社の商品を口コミしている方々にとっては嬉しいニュースですね^^
連結キャッシュ・フロー
ユーグレナ[2931]連結キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) | ||||
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | フリーCF |
2015/9 | 620 | 2,091 | ▲177 | 2,711 |
2014/9 | ▲7 | ▲6,177 | 7,499 | ▲6,184 |
2013/9 | 163 | ▲105 | 895 | 58 |
連結キャッシュ・フローの営業CF(本業による収益)は620百万円と、プラス圏に浮上しました。
ユーグレナ[2931]の子会社と事業内容
八重山殖産株式会社 | ユーグレナ及びクロレラ等の藻類の生産・加工・販売 |
株式会社植物ハイテック研究所 | バイオテクノロジー技術による新品種植物の研究開発、育種・販売及び輸出等 |
株式会社ユーグレナインベストメント | 研究開発型ベンチャー企業への投資等 |
Grameen euglena | バングラデシュにおける緑豆の生産、販売、輸出等 |
上海悠緑那生物科技有限公司 | 中国におけるユーグレナ、クロレラなどの機能性食品等の販売 |
株式会社ユーグレナ・アート | ユーグレナ機能性食品等の卸売 |
株式会社エポラ | ユーグレナ、クロレラ等の機能性食品等の販売 |
ユーグレナ竹富エビ養殖株式会社 | クルマエビの養殖販売 |
積極的に行ってきたM&Aや会社設立により、2015年9月期は子会社が増えています。
グラミンユーグレナ
グラミンユーグレナは、バングラデシュの現地農家に緑豆の育て方やノウハウを教え、半分を貧しい農家の方の収益源として、もう半分を日本のもやしメーカーに販売する緑豆プロジェクトです。
CSRとしての位置付けが強かったプロジェクトですが、日本のもやしメーカーに販売する分が軌道に乗り始め、連結収益に黒字として寄与できるビジネスモデルになってきたとのことでした。
上海悠緑那生物科技有限公司
上海悠緑那生物科技有限公司はユーグレナが7割、台湾の企業が3割を出資して立ち上げた会社です。
現在、中国のお客さんと商談を随時進めており、1日でも早く収益化したいとのことでした。
ユーグレナ竹富エビ養殖
ユーグレナ竹富エビ養殖は、沖縄県の竹富島に東京ドームおよそ1.5倍の大きな陸上プールを有しています。
ここで育てるエビは陸上のプールで養殖するため、海で養殖する海老とは違いウイルスフリーで安心して食べれるそうです。
また、ユーグレナが大量培養を行う石垣島のプールから船で約15分ほどの距離にあるため、ユーグレナを飼料としてエビに与え、どのような影響があるか研究も行われています。
バイオディーゼル燃料

ユーグレナ[2931]で注目が集まるのは、やはり「バイオディーゼル燃料」です。
ユーグレナ[2931]は、横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、全日本空輸をパートナーとして、横浜の臨界エリアに日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを建設し、2018年から稼働することを2015年12月1日に発表しました。
2020年に、国産の100%バイオ燃料を使って「有償フライト」「公道走行」ができるよう、製造実証と環境整備を行っていきます。
2020年に向けた国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化計画の始動について(PDF)|ユーグレナ
出雲社長によると、バイオディーゼル燃料は現在もたくさんあるらしく、「天ぷら油で動くバス」、「ひまわりの種で運転するスクールバス」などがあるみたいですね。ただし、それは燃料の内の僅か数パーセントに混ぜているだけのようですね。
ユーグレナ[2931]が目指しているのは100%国産のバイオ燃料で、車や飛行機を飛ばすことです。
2018年の頭の段階では「日産で5バレル」「初年度は年間で125キロリットル」の国産のバイオ燃料生産して出荷できる体制を整えます。
2018年の段階で、飛行機で「どのぐらいの距離」飛べるのか?
「日産でバイオディーゼル燃料5バレルを1ヵ月生産」すると、飛行機でどのぐらいの距離を飛行できるのか?
上記の量を1ヵ月生産すると、羽田空港から伊丹空港(大阪国際空港)の間を毎週1回だけ1往復できるという量(ただし、全体の燃料の内、国産のバイオ燃料は10%)だそうです。
ビジネスとして毎日使えるというレベルよりは、まずは技術を確立するための実証プラントとしての位置付けということです。
質疑応答(一部)
質疑応答の一部を記載します。
いつも通りですが、「聞き間違い」など、大いにありえますので、参考程度でご覧ください。
Q.ユーグレナ研究所から送られてきたユーグレナレポートには「中性脂肪を抑制する」「乳酸菌の活動を活発化する」「プリン体の吸収を抑える」他…などの効果が書いてあるが、ユーグレナの機能や効果について商品で効果を訴求できないのか?
A.商品には効果・効能を連想させることはできない。研究成果やレポートをご報告させていただいている。
Q.株主還元のひとつである配当金についてどのような考えか?
無配ということについては誠に申し訳なく思っている。2020年までは研究開発投資と広告宣伝活動に充当させていただきたい。
2021年以降、「日常的に飛行機やバスの燃料を使っていただく」、「緑汁を世界中100万人の方に飲んでいただく」ということを実現し、ミドリムシ企業として一人前になったこ時、配当金や株主優待も含めて還元の施策を実施させていただきたい。
Q.原油価格の低迷により、バイオディーゼル燃料の価格も連れ安となるかと思うが、どのように考えているか?
A.ある程度の危惧はしている。しかし、専門家ではないので原油価格の予測はできないのと、予測に頭を悩ませたり原油価格に一喜一憂するよりも、バイオディーゼル燃料の開発・コスト削減に努めていきたい。
Q.バイオディーゼル燃料の実用化計画で、いすゞ自動車[7202]と全日本空輸[9202]をパートナーに選んだ理由は?
率直に申し上げると、ほとんどすべての会社にご依頼した。その中で、ミドリムシの可能性を信じて、出資いただいたのがこの2社。「ミドリムシいいね!」とは誰もが言うけれど、信じて出資いただいたのは、いすゞ自動車[7202]と全日本空輸[9202]だった。
Q.Facebook広告のコメントに「緑汁はマズくて飲めなそう」と書いてあった。飲んだことがない方のためにに「試飲」を行うなどの計画はあるか?
A.味についてのご意見がある場合は、謙虚に集めていきたいと思っている。緑汁については、980円の緑汁1weekお試しセットをご用意させていただいている。
もし粉末飲料の味が苦くて…という場合には、カプセルタイプの「ユーグレナ・プラス」や、連結子会社化したエポラのユーグレナのタブレット「ナチュラルリッチ」を摂ってみるという手があります。

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ユーグレナ[2931]の主要指標と株価チャート
主要指標
ユーグレナ[2931]の主要指標(2015年12月18日現在) | |
株価 | 1,821円 |
単元株数 | 100株 |
最低購入代金 | 182,100円 |
PER(会社予想) | (連)270.98倍 |
PBR(実績) | (連)11.78倍 |
ROE(実績) | 4.06% |
配当利回り(会社予想) | ー% |
チャート(5年)

私が購入した日を調べてみたら、2013年の11月で取得単価は1,449円でした。結構長いこと持っています。
バイオディーゼル燃料の開発とともに、株価もジェット機のように飛行することを願うばかりです。
まとめ
株主総会に出席すると、「IRニュースだけでは分からない経営陣の雰囲気」も確認できるのがイイですね。
ユーグレナ[2931]の株主総会に出席するのははじめてでしたが、出雲社長の声の熱量から、「ユーグレナ(ミドリムシ)に対して熱い思いを抱いている」ということが、よく伝わってきました。
なお、議事進行・質疑応答の回答まで、すべて出雲社長が取り仕切られておられました。もちろん、ユーグレナグリーンのネクタイで^^
出雲社長の書籍もKindleで読んだことがあるのですが、まさにイメージ通りの熱いハートを持った方という感じです。とても好感を持ちましたし、今後も応援していきたいという気持ちになりました。
さいごにおまけですが、総会の途中、前方の席にいたご年配の方が「一人で騒ぎ出した」ので退場処分となり、つまみ出されました。世の中色んな人がいますねー。
[blogcard url=”http://aokitrader2.com/euglena-midorijiru”]