私は2009年よりFX(外国為替証拠金取引)を行っており、毎年管轄の税務署に行き、確定申告を行っています。
2011年以前は、税制の関係から「くりっく365FX」を利用して取引していましたが、2012年の申告分から「店頭FX」も「くりっく365FX」と同じ「申告分離課税」となったため、くりっく365の旨味がほぼなくなりましたね。
さて、そのFXの確定申告についてですが、先日、税理士さんのセミナーに参加したことで、新たに分かったことがあります。今回はFXの確定申告の注意点や経費申告について、参考までに書いていきたいと思います。
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店頭FX・くりっく365FXの税制
現在の店頭FX・くりっく365FXの税制は以下の通りです。
- 申告分離課税:所得税15%、住民税5%(※)
- 3年間の繰り越し控除が可能
FXの「経費」はどこまで申告できる?
「課税対象の所得=年間利益-経費」のため、経費を申請することで、節税につながります。
ただし、毎年確定申告をする時に「悩む、悩む、悩みまくる」のが、「FXの経費申告はどこまでOKなのか?」ということです。
結論からいうと、税務署に聞いても税理士さんに聞いても「答えはない」になってしまうのですが、私自身、過去の確定申告の中で、FX取引にかかった必要経費を申告しています。
FX取引でかかった経費を申告することで、所得から控除が可能です。
取引手数料
以前は取引のたびに「取引手数料」がかかっていたくりっく365FXでも、現在はほとんどの取引会社で手数料は無料です。ただし、もし取引手数料がかかるFX会社で取引した場合は、支払手数料については経費となります。
通信費
スマホで取引する人はパケット代、自宅のPCで取引する場合はプロバイダ費用など、インターネット関連の費用が該当します。
ただし、FX以外の用途にも使っていることがほとんどでしょうから、割合を案分して計算する必要があります。
消耗品費
10万円未満の物品で、取引に使用する机や椅子、事務用品、パソコンなどです。
減価償却費
10万円以上の物は、一括で経費に計上せず、数年に分けて計上します。
旅費交通費
FXのセミナーに参加した際の交通費です。
図書費
専門性の高い書籍など。
領収証・レシートの注意点
領収証・レシートはしっかり保管
上記の経費を申告する場合、領収証・レシートは必ず保管(申告から7年間)します。
確定申告の際、領収証を添付したり提出したりする必要はありませんが、後に税務調査(お尋ね)が入った際、税務調査官にしっかりと説明する必要があるので、ファイルに綴じこんでおくなどして保管するのがベストです。
領収証の宛名や但し書きは?
これは税理士さんに教えていただいたことですが、領収証の宛名が「上様」、但し書きが「お品代として」の領収証が多い場合、税務調査官から突っ込まれやすいそうです。
領収証はフルネーム、但し書きについてベストなのは「何の経費なのか正確に書くこと」みたいですね。
私の場合、領収証を書いてもらう際は、「名刺を店員さんに渡して写し書き」してもらいます。間違いもないので、おすすめです。
申告時ではなく後々の「税務調査」でしっかり説明できるかが重要
申告時は、税務署や職員の判断による
昔、今の住まいと別のエリアに住んでいたとき、管轄の税務署で「図書費を経費申告したい旨」を伝えた際、「経費の申告はできません」と一蹴されてしまったことがあります。
たかが数百円ではありますが、粘り強く話をしたところ、職員の方から上司(?)の方に相談していただいたうえで「その図書を読んだことがFXの取引に役立ったのであれば、申告いただいて構いません」という回答に変わりました。
一方、別の地域に引越しをして、上記とは別の税務署で確定申告をする際に「図書費の一部を経費申告したい旨」を伝えると、「では、ここに入力してください」と、完全にスルー。
明確な線引きがないだけに、申告時の経費申請は「税務署」の判断にもよるし、「職員」の方の判断による部分も大きいというのが現状のようです。
大切なのは申告時ではなく後々の税務調査
ただし、確定申告時に経費申告がうまくいけば、あとはもう大丈夫か?というとそうではありません。
多くの方が「確定申告時」に重きを置いていますが、実際に重要なのは、後々に税務調査が入った時、しっかり説明できるか?です。
税務調査
税務調査は何年さかのぼるのか?
「税務調査」が入る際は、最大7年間にさかのぼって行われます。
先ほども書きましたが、税務調査が入った時のために、過去7年間分の確定申告書・領収証はすべてしっかり保管しておく必要があります。
税務調査の流れ
これはセミナーの時に税理士さんが教えていただいた話です。
実際の税務調査は、まず「電話」があり「直接お会いして話したい旨」の連絡がきます。
基本は税務調査官と1対1で行われ、利益や経費についてのひとつずつ指摘があります。計算違いや認識違いなどがあれば、追加で税金を納める必要が出てきます。
なお、この際に故意に意図して利益を隠ぺいすると、「重加算税」に加えて「延滞税」も納税する必要があります。さらに、税務署の態度も一気に変わるため、今後も目を付けられるそうです。
FXの年間取引報告書はFX会社から税務署に提出されるため、少しでも隠している利益があれば、即座にバレます。不正はせず、しっかりと申告することが何よりも大切です。
値洗いを行うFX業者は「未決済ポジションも課税対象」となるので注意
毎日のニューヨーククローズ時に「値洗い」を行うFX業者の場合、「未決済ポジションの含み益および含み損・スワップポイント」も課税対象となります。
たとえば、SBI証券のFX「SBI FX α」は、未決済のポジションでも、毎日のニューヨーククローズ時に値洗いされています。
表面上は「建てた時のポジションをずっと保有している」ように見えても、毎日のニューヨーククローズ時に「一度決済してまた買いなおした」ことになっているということです。
そのため、SBI FX αで未決済のポジションがある場合、含み益・含み損・スワップポイントも課税の対象となるので、注意が必要です。
一方、ローラがCMに出演しているDMM FX、大島優子がCM出演している外為オンライン、ガッキーがCM出演しているGMOクリック証券は、値洗いを行っていませんので、含み益や未決済ポジションのスワップポイントは、決済したタイミングの年に課税対象となります。
まとめ
経費として申告できれば、その分を控除できることになるので、節税に繋がります。
どこまでが経費として認められるのか?判断は難しいところですが、FXの損益を確定申告される方は、検討をしてみてはいかがでしょうか?
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