東京電力HD[9501]が2016年4月から始まる「電力自由化」に伴い、新プランの発表を行いました。
電力自由化が始まると、消費者が「複数の電力会社から自由に選べる」ようになるため、これまでになかった価格・サービスの競争が始まります。
すると、どの電力会社と契約するのがおトクなのか?という疑問が生じるわけですが、ひとまず確認しておきたいのが、
- 東京電力エナジーパートナーで今加入しているプラン
- ひと月の電気料金・電気使用量・契約アンペア
です。
この記事では、東京電力エナジーパートナーの料金プランの試算方法、および、現在の電気料金と電気使用量・契約アンペアの確認方法を詳しくガイドしてご紹介します。
2016年4月から始まる「電力自由化」とは?

http://www.tepco.co.jp/jiyuuka/about/index-j.html
これまでは、住んでいるエリアにより、契約(電気を購入)できる電力会社が決まっていました。関東圏の場合、東京電力です。
2016年4月以降は「電力自由化」が始まり、複数の電力会社から消費者が自由に選べるようになります。つまり、自分の生活スタイルに合った「一番おトクな会社の電気料金プラン」を選べるようになります。
auでんき、ソフトバンクでんき、ENEOSでんき、東京ガス…と、さまざまな会社が参入してくる一方、東京電力エナジーパートナーは「既存顧客を大きく奪われてしまうリスク」が生じます。
[blogcard url=”http://aokitrader2.com/eneos-denki”]そのため、東京電力エナジーパートナーとしては既存顧客の流出を防ぐために、他の業界(商社・通信・家電)のトップランナーたちと提携(リクルート、Ponta、Tポイントなど)を始めています。
今後は「電力・商社・通信・家電」がタッグを組みます。そして時代は、電力自由化大戦に突入しました―。
くらしTEPCO
東京電力エナジーパートナーの「料金プラン一覧」を確認する
まずは、東京電力エナジーパートナーの小売電気事業会社である東京電力エナジーパートナーが新しく発表した「料金プラン一覧」を確認してみます。

通常の家庭では(特段申込み手続きをしていない限り)「従来電灯BまたはCで契約」していることがほとんどです。
新しく追加された4プランは、生活スタイル、生活する人数、電気の使用量により、選ぶとおトクになることがあります。
従量電灯B,C(従来プラン) | 少人数で、時間帯を気にせず電気を使いたいご家庭 |
スタンダードS,L,X | 時間帯を気にせず電気を使いたいご家庭 |
プレミアム | 大家族、ペットがいるなど使用量が多いご家庭 |
スマートライフ | これからオール電化住宅にお住いのご家庭 |
夜トク8,12 | 日中は不在がちで、夜間の使用量が多いご家庭 |
うーん、携帯電話料金のように、複雑で考えるのがイヤになりそうですね;
ただ、ご安心ください。「くらしTEPCO」では「自分が一番おトクなプランはどれか?」簡単に試算することができます。
料金プランをシミュレーションしてみる
料金プランを試算してみたいと思います。

入力事項は以下の通りです。
- 郵便番号
- いまの電力会社
- いまの契約プラン
- アンペア
- いまの電気代
- 同一世帯の人数
- オール電化住宅か否か
- ライフスタイル
契約プラン・アンペア・電気代を確認する方法
上記の「3.いまの契約プラン」「4.アンペア」「5.いまの電気代」を正確に確認する方法は2種類あります。
- 毎月投函される「電気使用量のお知らせ」を確認する
- ウェブサイト「でんき家計簿」で確認する

料金プラン試算の結果

私がシミュレーションしてみたところ、上記のように「現在のご契約がお客さまに合ったおトクなプランです」と表示されました。
つまり、私の場合は新設された料金プランにすると、割高になってしまうということです。東京電力の契約を継続する場合、今のままでイイということですね。
でんき家計簿
過去2年間の電気料金をチェックできる
東京電力エナジーパートナーでは「でんき家計簿」というサービスを実施しています。
でんき家計簿に登録すると、オンラインで電気料金やご契約状況が確認できるようになるのでおすすめです。
私は実際に登録しているので、「でんき家計簿」に登録するとどんなことが分かるのか?ご紹介していきたいと思います。
1.電気使用量と料金をグラフで見れる
毎月、東京電力エナジーパートナーから郵便ポストに投函される「電気使用量のお知らせ」を確認すれば、前月の電気使用量・電気料金を把握できます。
ただし、紙1枚だけでは、電気使用量や電気料金が過去と比較してどうなのか?をひと目でチェックすることができません。
「でんき家計簿」に登録すると、過去2年間の電気使用量・電気料金をチェックできるようになります。
電気使用量(kmh)
- 青色グラフ:今年の電気使用量
- 水色のグラフ:前年の電気使用量
- 赤色のグラフ:他の人の平均使用量
うー、これは、8月があまりにも酷すぎますね…。8月は旅行もして留守が多かったので、電気やクーラーを付けっぱなしだったのかもしれません…?
電気料金(¥)

電気使用量が多いため、8月の電気料金がちょっと高すぎておかしいレベル。
といった具合に、でんき家計簿に登録すると、過去2年間の使用量と料金をグラフで確認できるようになります。
上記の私のグラフはちょっと極端すぎますが、12月~2月の暖房を多く使う時期・8月のクーラーを多用する時期は、やはり電気料金が高くなることがわかりますね。
室内の空気を循環させて冷暖房効率を上げる「サーキュレーター」を使うことで、節電に取り組んでみるのもよいかもしれません。
[blogcard url=”http://aokitrader2.com/circulator”]2.家電アシスト
家電アシストには、保有している白物家電(冷蔵庫、洗濯機、冷暖房)やTV・カメラ、パソコン、スマホ、給湯器・住宅設備を登録することで、保証期間やリコールの情報を受けとることができるようになります。
また、以下は私の勝手な予想ですが、
- この家電を買い替えると約○○円電気代がおトクになります!
- そろそろ給湯器の交換時期です。新型エコキュート導入すると約○○円電気代がおトクになります!
といった形で、提携した「家電量販店のECサイト」への経路をつくるのだと思われます。
3.省エネグッズを探す
省エネに役立つグッズを紹介してもらえます。
現在は、大したコンテンツがありませんが、こちらも東京電力陣営に参入する家電量販店との提携が決まり次第、もっと具体的なコンテンツができるのだと思われます。
4.電気使用量をみんなと比べる
周りとの会話で「今月の電気料金はどうだったか?」という話題はあがりません。ただし、気になるといえば気になるところ。
電気使用量を他のご家庭と比べてみたいと思います。

結果は見えていましたが、案の定「お客さまのご使用量は、お住まいの地域のよく似たご家庭を18%上回っています」…というダメ出しをいただきました。
これは改善策を本気で考えねばなりません。
5.各種お手続き
各種お手続きでは、以下の手続きをオンライン経由で行えます。
- 電気のお引越し手続き
- ご契約アンペアの変更
- お届け先住所の変更
- 各種申込用紙の取り寄せ
- 検針票お届け方法の変更
- カード払いの申込み
- ご契約名義の変更
- 口座振替日の変更
- 電力メーター情報発信サービスのお手続き
特に便利なのが、一番上の「電気のお引越し手続き」です。東京電力の「引越れんらく帳」というサービスで、
- 電気
- ガス
- 水道
- NHK
- クレジットカード
- 損害保険
- プロバイダ
の引越し手続きを一括して行うことができます。
6.住まいのお役立ち
住まいのお役立ち情報には、東京電力[9501]が提携を結んだリクルートホールディングス[6098]のサービスへのリンクがあります。
- リフォーム ⇒ ホームプロ
- 住まい探し ⇒ SUUMO
- 家事代行・ハウスクリーニング ⇒ SUUMOハウスサービス
でんき家計簿の登録方法
登録方法は簡単です。
- メールアドレス
- 個人情報、
- お客さま番号(毎月の「電気ご使用量のお知らせ」に記載)
を入力し、東京電力エナジーパートナーから郵送されてくる「認証コード」を入力すれば完了します。
ポイントが貯まるのは新料金プランのみ
東京電力[9501]は、2015年内から「相次ぐ企業提携」を重ねてきました。
- リクルートホールディングス[6098]
- ロイヤリティマーケティング(Ponta)
- カルチュア・コンビニエンス・クラブ(Tポイント)
今後、電気料金に応じてポイントが貯まるようになりますが、残念ながら「従量電灯B,Cプラン」の場合、ポイントは付きません。

電気料金1,000円(税抜き)*につき5ポイント
TポイントまたはPontaポイント(未加入の場合は自動的にTEPCOポイントへ蓄積)
*再生可能エネルギ−発電促進課金、解約事務手数料、遅延利息は除く。
新料金プランに申し込むと、電気料金1,000円(税抜)につき5ポイントが貯まり、TポイントまたはPontaポイントにすることができます。
PontaポイントはNTTドコモ[9437]のdポイントと相互利用できるため、携帯会社がNTTドコモで、東京電力の新料金プランを選ぶ方にとっては、おトクといえるかもしれませんね。
[blogcard url=”http://aokitrader2.com/d-point”]
まとめ
従来、東京電力エナジーパートナー側としては「契約者が電気をどのように使おうと知りません」というスタンスでも問題ありませんでした。
しかし、電力の自由化以降は、東京電力[9501]からも積極的に良い電気料金プランを提案していかないと、顧客に逃げられてしまいます。
今後は、電気の小売り自由化によって生まれる競争により、電力を含めたさまざまな業界のサービスの底上げが期待できます。今後のサービスや提携にも注目したいです。
また、現在携帯会社がソフトバンクの方は、ソフトバンクでんきを検討してみるのもひとつです。
さいごまでお読みいただきありがとうございます。