今回は2015年6月25日(木)に「日本武道館」で開催された、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ[8306]の「第10期定時株主総会」に参加レポート記事になります。
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開催場所は「日本武道館」
三菱UFJフィナンシャル・グループ[8306]の株主総会は、九段下駅から徒歩約10分の「日本武道館」で開催です。
この日本武道館の周りを囲むお堀「千鳥が淵」および「北の丸公園」は、春になると見事に咲き誇る「桜の名所」なんですよね。皇居の北西側という位置にありながら、美しい桜を望むことが出来る、いわば都会のオアシスなんです。

こちらは昨年の4月1日16時頃に訪れた際に撮影した、北の丸公園から千鳥が淵を望む写真です。
少し見えづらいですが、奥に見える尖った建物は「東京タワー」。そして、車が走っている道路は「首都高速」なんです。首都高速のトンネルとトンネルの間に一度外に出る場所があるのですが、そこから見る桜の木々は絶景です。

桜と松の異色コラボレーションも楽しむことができます。春、東京にお越しの際はぜひ立ち寄ってみてください。

さて、こちらは株主総会当日の写真です。

北の丸公園内の日本武道館に到着。株主数が多い上にお土産もご用意頂いているだけあって、たくさんの人で溢れています。

株主総会の会場には持ち込めませんが、ドリンクコーナー(アイスコーヒー、緑茶、紅茶、オレンジジュース、リンゴジュース)もあります。ここで一度喉を潤してから会場に向かいます。
株主総会の参加者は何と4,791名です。ソニーの2,140名を大きく上回ります。やはり、お土産効果が効いているのでしょうか;
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三菱UFJフィナンシャル・グループ[8306]の「株主総会」
第10期報告事項:事業報告
三菱UFJフィナンシャルグループ[8306]連結損益状況(単位:億円) | |||
2013年3月期 | 2014年3月期 | 2015年3月期 | |
売上高 | 47,632 | 51,761 | 56,384 |
営業利益 | 15,544 | 14,636 | 15,585 |
経常利益 | 13,441 | 16,948 | 17,130 |
当期利益 | 8,526 | 9,848 | 10,337 |
EPS(一株当たり利益) | 58.99円 | 68.29円 | 73.22円 |
ROE(自己資本利益率) | 7.85% | 7.94% | 7.29% |
三菱UFJフィナンシャル・グループ[8306]の平成26年度(2015年3月期)連結純利益は国内金融機関初の1兆円超えを果たしました。タイのアユタヤ銀行を連結化し増収化を図るなど、他2メガバンク(みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ)とは違う「積極的な海外展開」が功を奏しています。
史上最高益となりましたが、ROEについては2007年のサブプライムショック前に10%中盤前後だったことを考えると、2015年3月期のROEが7.29%というのはまだまだ寂しい水準ですね。
なお、2015年5月15日発表の「新中期経営計画(2015~2017)」では2015年3月期と比較してEPS(一株当たり利益)を+15%以上、ROEを8%台後半という財務目標を掲げています。
質疑応答(一部)
以下は当日の「質疑応答」の一部です。メモ間違いおよび聞き間違い等あるかと思いますので、参考程度でご覧ください。
Q.PBRの向上に向けて収益拡大を図る必要があるが、コスト削減についてはどう考えているか?
結城専務:PBRは一時期0.6だったものが0.8まで上がってきているが、1を割れているのは経営陣にとって重要な課題。昨年度の経費率は全体で61%。
削減について検討しているが、現状は国際的な規制が強くなっており、海外の事業が多い関係で経費を思い切って下げられない。もうひとつは、まだ完全に国内の景気が戻っていない中で、海外に成長のための投資をしているため、経費が増えている。中期経営計画で経費率を大幅削減をすることは難しいという判断をした。既存の領域、それも国内でどれだけ経費を下げられるか?というのがキーポイントになる。
いずれにせよ、収益力を上げ経費の節減をすることで株価を上げ、PBR1倍を早く実現したい。
Q. 以前騒がれていたインドネシアや今話題のギリシャ等、「エマージング諸国」のカントリーリスクへの対応を教えてほしい
安田常務:カントリーリスク全般については、各国の経済・金融の情報を毎年見直して社内的な格付けを行っている。年内においても事態の変更があった場合は格付けをさらに見直すことも行っている。
インドネシアについてはここ数年、政治・経済の安定が図られてきており、社内の格付けも向上してきた。その結果、グループ全体におけるインドネシア向けの債権の合計残高は現在約8,000億円。アジア全体で見ると中国向けは35%、インドネシアはそれよりも少ない状況。資産のリスクを避けるため、ポートフォリオの分散をして慎重な業務をしている。
ギリシャ向けの債権残高は0円。仮にギリシャに不測の事態(ユーロの離脱・資本規制)があった場合、ポルトガルやアイルランドに及ぶ可能性があるが、こういった国に対しての残高も極めて少ない状況。いずれにせよギリシャの動向については慎重に見ていきたい。
Q.4つのリスク(アメリカの金利上昇、中国経済減速、新興国経済減速、ギリシャ問題)の中で一番問題だと思うものはどれか?
安田常務:アメリカの金利が上がることに伴うリスクは、ある程度市場の中には織り込まれつつあるのではないか。また、アメリカの中央銀行は市場との対話を丁寧に行っている。しかし、長らく続いた非伝統的な金融緩和のターニングポイントであり、先進国の中では一番初めに利上げを行うタイミングである。したがって、アメリカの国内のみならず世界に与える影響は引続き警戒する必要がある。
その場合、特に影響を受けるのは新興国である。ここ数年の世界的な金融緩和により、成長性・投資利回りが高いことから多くの資金が流入している。アメリカの中央銀行の利上げをきっかけに逆流するリスクがある。その場合、注意する国が「経常収支で赤字の国」。具体的にはインド、インドネシア、ブラジル、トルコ。
中国については以前よりも成長スピードが減速し、今年の成長見通しは7%。政治の安定やシャドーバンキングのリスクも留意する必要がある。しかし、シャドーバンキングについては中国当局が既に手をうっているのでそれをきっかけに金融危機が起こるとは考えにくい。
ギリシャについては政府サイドの問題が注目。今回、交渉がまとまったとしてもギリシャが持つ構造的なリスクを引続き警戒する必要がある。また、ギリシャがユーロを離脱する際のヨーロッパ全体への影響も注意点。しかしその場合でも、数年前にあった「欧州債務危機」のような状況にはならないのではないか。
向こう1年間であえて我々がどのリスクを最も警戒するかという点については「アメリカの利上げ」によるリスクが「新興国」に及び、世界全体の金融市場が不安定になるリスクである。この点について慎重に見ていく必要がある。
三菱UFJ・FG[8306]の主要指標とチャート
主要指標
三菱UFJフィナンシャルグループ[8306]の主要指標(2015年6月26日現在) | |
株価 | 915.5円 |
単元株数 | 100株 |
最低購入代金 | 91,550円 |
PER(会社予想) | ―倍 |
PBR(実績) | (連)0.84倍 |
ROE(実績) | 7.29% |
配当利回り(会社予想) | 1.97% |
チャート(10年)

上記は過去10年の長期チャートです。サブプライムショック前の水準から半値ほどまで戻しています。
チャート(2年)

直近ではレジスタンスになっていた700円を突破し上放れしています。財務指標を改善してさらなる上昇を期待したいところです。
三菱UFJ・FG[8306]より配当金
今回は、三菱UFJフィナンシャル・グループ[8306]より、1株あたり期末配当金9.00円をいただきました。200株保有のため、税引前1,800円の配当金となります。
なお、2016年の3月期の配当金予想は年間18.00円。過去8期分の配当金推移は以下の通りです。
三菱UFJフィナンシャル・グループ[8306]1株あたり配当金推移 | |||
決算期 | 年間 | 中間 | 期末 |
2016年3月期 | 18円(予想) | 9円(予想) | 9円(予想) |
2015年3月期 | 18円 | 9円 | 9円 |
2014年3月期 | 16円 | 7円 | 9円 |
2013年3月期 | 13円 | 6円 | 7円 |
2012年3月期 | 12円 | 6円 | 6円 |
2011年3月期 | 12円 | 6円 | 6円 |
2010年3月期 | 12円 | 6円 | 6円 |
2009年3月期 | 12円 | 7円 | 5円 |
2008年3月期 | 14円 | 7円 | 7円 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ「株主総会」のお土産
さいごに、株主総会当日にいただいたお土産のご紹介です。

港区麻布十番に本店を構え、一部の百貨店にも店舗がある「麻布かりんと」のお菓子です。

「アップルパイかりんと」「麻布かりんと」「レーズンかりんと」「渦巻きかりんと」の4種類が入っていました。佇まいが凛としていて上品ですね。いただくのが楽しみです。
さいごに
ここ1週間「ディーエヌエー⇒ファンケル⇒ソニー⇒タカラトミー⇒三菱UFJフィナンシャルグループ」と毎日のように株主総会に出席しているのですが、三菱UFJフィナンシャルグループの株主総会がここまでで一番よかったです。
他の株主総会では「答えになっていない回答」が多く、腑に落ちないことが多かったのですが、三菱UFJの株主総会では、質疑応答する株主に対し、平野議長(三菱UFJ銀行頭取)をはじめ、役員の方が丁寧に回答されているのが印象的でした。
普段、株式投資は「SBI証券」を利用しているのですが、三菱UFJグループの「カブドットコム証券」も使ってみようかな~。SMAPの稲垣吾郎がCMをしている証券会社です。三菱UFJ[8306]の株主で500株以上保有だと株主優待で手数料割引もあったはず…。
既に口座開設は完了しているのですが、カブドットコム証券では一般信用売りを使った株主優待取りができるので、そろそろこのブログでもチャレンジしてみたいと思います。
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