ソニー[6758]株主総会の参加レポート。「It’s a SONY」の復活なるか?2015年3月期

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2015年6月23日(火)にグランドプリンスホテル新高輪「国際館パミール」で開催されたソニー株式会社[6758]「第98回定時株主総会」に出席してきました。

今回はソニー[6758]の株主総会参加レポートです。なお、この記事に掲載されている写真はすべてソニー製品の「DSC-RX100」で撮影しています。

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開催場所は「グランドプリンスホテル新高輪」

開催場所のグランドプリンスホテル新高輪は品川駅(高輪口)から徒歩8分です。

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品川駅からは5、6箇所に誘導看板があったので、迷うことなく到着しました。

なお、ご存知の方が多いとは思いますが、ソニーの株主総会のお土産は前年2014年より廃止されています。上記のように、すべての誘導看板に「お土産のご用意はございません」の記載がありました。これだけ書いておけば変なクレームもなさそうです。

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上記写真には映っていませんが、外では報道陣が株主をつかまえてインタビューしていました。ディー・エヌ・エー[2432]の株主総会やファンケル[4921]の株主総会とは、あきらかに規模や注目度が違います。

DeNAの株主総会お土産DeNA[2432]株主総会のお土産をご紹介です。2015年3月期
こんにちは、aokitraderです。 このたび、2015年6月20日(土)にTKPガーデンシティ品川で開催された株式会社ディー・エヌ・エー[243...
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レセプションもしっかりした雰囲気で、ここら辺はさすがソニーといったところでしょうか。

後にソニーのIRページを確認したところ、今回の「株主総会参加者」は2,140人でした。席に腰かけ周りを見渡すと、幅広い年代の方がいらっしゃいましたね。30代くらいの女性の方も結構多い印象を受けました。

 

ソニー[6758]の「株主総会」

報告事項:連結事業の概況

ソニー[6758]連結業績の概況(単位:億円)
2013年度 2014年度 増減率
売上高及び営業収入 77,673 82,159 +5.8%
営業利益 265 685 +158.7%
税引前利益 257 397 +54.3%
当社株主に帰属する当期純損失 ▲1,284 ▲1,260

売上高は、前年度比5.8%増加の8兆2,159円です。これは主に為替レートが円安に振れた影響と、モバイル機器向けのイメージセンサー・カメラモジュールが好調な「デバイス分野」、PS4が好調な「ゲーム&ネットワーク分野」が増収に寄与しています。

営業利益は、前年度比421億円増加の685億円で着地しています。売上高同様に「デバイス分野」が増益に寄与しています。

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引用元:第98回定時株主総会招集ご通知|ソニー

とはいえ、事業セグメント別の売上高と営業利益(損失)を確認すると、現在のソニーは結局「金融分野(ソニー生命・ソニー損保・ソニー銀行)」でなんとかなっているという状況に見えてしまいますけどね(なんとかなっているといっても、当期純利益は▲1,260億円の赤字ですが…)。

連結キャッシュ・フロー

ソニー[6758]連結キャッシュ・フローの状況(単位:百万円)
2013年3月期 2014年3月期 2015年3月期
営業CF 476,165 664,116 754,640
投資CF ▲705,280 ▲710,502 ▲639,636
財務CF 88,528 207,877 ▲263,195
フリーCF ▲229,115 ▲46,386 115,004

ソニー[6758]のフリーCFは長年続いた過剰投資によって長らくマイナスでした。

しかし、2015年3月期は営業CFが7,546億4,000万円と伸び、投資CFが▲6,396億3,600万円と減少したため、フリーCFがプラスの1,150億400万円で着地しています。

ソニー[6758]のフリーCFがプラスとなったのは2003年3月期以来です。

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上記グラフはソニー[6758]の過去15期分の営業CFと投資CFです。前年までの分を積み重ねて累計にしたうえで、分かりやすくするために投資CFを絶対値に修正したものです(マーケットアナライズの岡崎さんが作成していたやり方を真似てみました)。

ソニーがいかに過剰投資をしてきたかを示しています。

中期経営方針:2017年度にROE10%以上、営業利益5,000億円以上

2015年度~2017年度の「中期経営方針」の中で、中期経営計画の最終年度となる2017年度の経営数値目標に「株主資本利益率ROEを10%以上、営業利益5,000億円以上」という数字を掲げています。

2015年度 連結業績見通し

ソニー[6758]2015年度 連結業績見通し(単位:億円)
2014年度 2015年度 増減率
売上高及び営業収入 82,159 79,000 ▲3.8%
営業利益 685 3,200 +158.7%
税引前利益 397 3,450 +54.3%
当社株主に帰属する当期純利益(損失) ▲1,260 1,400

上記は2015年4月30日(木)に開催された「業績説明会」で発表された「2015年度連結業績見通し」です。営業利益3,200億円ですか。果たして、こんなに見事なV字回復はありえるんでしょうかね…。

sony2015-20140430

引用元:2014年度 連結業績概要|ソニー

特にモバイル・コミュニケーション分野(携帯電話)については売上高はダウンするものの、営業利益はマイナスながらかなり改善する見通しとなっています。

モバイル・コミュニケーション分野は2015年3月期に営業権の減損1,760億円を計上しているので、2016年3月期はその分を差し引けば現状維持で、上記見通しをほぼクリアできる感じなのかもしれません。

なお配当金については、2014年度は中間配当・期末配当共に上場来初の無配当となりましたが、2015年度(2016年3月期)は上記の増益計画見通しにより「1株あたり10円の中間配当金」を予定しています。

It’s a Sony

「質疑応答」ですごく印象的だったのが、はじめに質問された女性の方が「”It’s a SONY(イッツァソニー)”のCMを復活させて欲しい」ということを仰ったのを皮切りに、他にもお二人ほど同様の意見をされていたことです。

上記動画では動画中盤03:01CDプレイヤー・デジタルコンポ「LibertyCD」からブランドメッセージが「It’s a SONY」に変わっています(動画が削除されてしまったようです)。このブランドメッセージは、創業者の1人である盛田昭夫氏の発案で1982年頃から使われだしたようです。

わたし自身も小学生の頃に「It’s a SONY」のフレーズをよく聴いた記憶がありますね。なんでしょう、今聴いても“心に響く”感じがしますね。わたしは年代的に微妙ですが、輝いていた頃のソニー、およびソニーの感性に響く製品を知るユーザーの方にとっては、「It’s a SONY」というブランドメッセージは、忘れられない大切な宝物なのかもしれません。

興味が湧いたので、ソニーの「ブランドメッセージ」変遷を調べてみたら下記のように色々出てきました。

  • It’s a SONY
  • Digital Dream Kids
  • Connected Identity
  • Go create
  • like.ne.other
  • make.believe
  • BE MOVED(2015年現在)

わたしは正直「It’s a SONY」とハワード・ストリンガー時代の「make.believe」しか記憶にありません。

今回の株主の提言で、ソニーが再度「It’s a SONY」のブランドメッセージを使う可能性は限りなく低いと思いますが、思わず「It’s a SONY」と言いたくなるモノを世に送り出してほしいですね。

質疑応答(一部)

以下は、質疑応答の一部です。

Q.構造改革(人件費削減)をする中で、本当に社員が感動をもたらす商品作りができるのか?有能な技術者や営業マンが社外に流出しないよう、人事面での環境づくりはどうしているのか?

平井社長:「技術のソニー」ではエンジニアは資産であると考えている。重要な技術・ノウハウの流出防止に力を入れている。昨年は一部リストラ退職もあったが、大きな影響はない。

そういう中でも、会社のリーダーシップを中心に「いかにお客様に良い商品を届けるか」常に議論を重ねている。大きいヒット商品も小さいヒット商品もあるが、全社が一丸となれば評価頂ける、Winを作ることが出来る。ひとつひとつのWinをシェアして、より大きな感動を届けることができる。それがわたしを含めたトップマネジメントの重大な仕事と認識している。

Q.広告宣伝費は同業他社と比較して多いのではないか?削減幅はあるのか?どういったメディアを通して広告をするか?

平井社長:ソニーはエレクトロニクス、金融、エンターテイメントと多岐に亘る事業を全世界規模で行っている。業種が多いことをご理解頂ければと思う。

逆に、特にエレクトロニクス分野においてはTVCMが少ないとユーザー・株主様に指摘されることもある。今の厳しかった数年間は一部の分野において広告費削減されたが、どういう媒体で、今の若いユーザーおよびターゲットとしているユーザーに、より少ない原資でより効果的に伝えられるか、マーケティングを展開している。

Q.「既存技術をベースに革新」と言っているが、将来の利益構造が見えてこない。

平井社長:エレクトロニクスのポートフォリオを見た時には「2つの軸」で見る必要がある。

1つは今まで培ってきた商品・技術を改良して商品を作っていくこと。ウォークマンは音へのこだわりを積み重ねてきた。イメージセンサーはこれまで培ってきた技術力を毎年毎年改良してきたことが今のデジタルイメージングのビジネスにつながっている。

2つ目はまったく違う領域にチャレンジしていくこと。今はどういった商品軸で発展していくか見えないものもあえてチャレンジしていく。この2つの軸で考えていくことが重要であると考えている。

Q.わたしは以前ソニーで中間管理職をやっていた(今は退職)。過去10年15年を振り返るとなぜこんなにも凋落してしまったのか?と思う。アップル、サムスン、ホンファイ高収益になっているので「外的要因」は言い訳にならない。どの時代の誰が悪いとかではなく、本質的にソニーのどこがいけなかったのか、平井議長の目から見て教えていただききたい。

平井社長:過去を振り返り色々な分析をしている。限られた時間の中でこの4つだ5つとは言えないので割愛させて頂く。

しかし、あえてひとつ挙げるとするならば、海外のメーカーは為替の状況で有利だった中で、価格的を積極的に展開出来る状況にあり、それが彼らの競争力の源となった。

ソニーのDNAは、価格とか仕様・スペックだけで勝ってきたのではなくて、機能にはない「お客様の感性に訴える」デザイン・商品の佇まい・質感・手ざわり、そういったものが機能・スペックと重なって「ソニーらしい商品」が出来ていた。一部歴史を紐解くと、創業の頃から持っていたDNAが商品に感性価値が注入されなくなった一時期があった。価格とスペックで勝負をし過ぎたところがあると分析している。今後も機能・スペックはこだわっていかなければいけないが、同じぐらいお客様の感性に訴えるモノを兼ね備えた商品を作っていくことが重要である。

 

ソニーの「株主総会」でもらったもの

ソニーの株主総会では、お土産はいただけませんでしたが、紙パックのお茶をいただきました。

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  • おーいお茶(紙パック) 250ml
  • 入場票(SONYネックストラップ)
  • 発言希望カード(うちわ)

ネックストラップはデザインが可愛いだけに、もう少し厚みがあって丈夫な素材だったら、十分お土産といえるレベルになっていたので、ちょっと残念なところ。

 

ソニー[6758]の主要指標

主要指標

ソニー[6758]の主要指標(2015年6月23日現在)
株価 3,827円
単元株数 100株
最低購入代金 382,700円
PER(会社予想) (連)30.46倍
PBR(実績) (連)1.93倍
ROE(実績) -5.51%
配当利回り(会社予想 ―%

 

さいごに

ソニーは上場来初の無配当ということもあり、正直株主総会については「嵐のように荒れるのでは」と思いつつ参加したのですが、意外にもそんなことはありませんでした。

わたしは2012年末にソニー株を保有してから、ソニーの株主総会に参加するのは初めてです。

今回の株主総会に参加して感じたことは、ソニーの株主の方は単に「株主」という側面だけでなく「ソニー製品を愛してやまないユーザー」の方が多いということでした。

だからこそ、今の不甲斐ない経営陣(平井CEOがすべて悪いわけではないと思いますが)を厳しく叱咤激励する。ココロ踊る、感性に響くモノをまた世に送り出してほしい。そしてソニーに復活してほしい。質疑応答されていた方から、わたしにはその想いが強く伝わってきました。

さて、ソニーの経営陣のみなさんに「その想い」は伝わったのでしょうか?

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