ライン川(独:Rhein、英:Rhine)は全長1320kmの河川です。
スイスアルプス山脈の雪が溶け9ヵ国を流れて、大西洋までつづいています。そのうち、ドイツには半分近くにもなる698kmが流れています。
内、ビンゲン~コブレンツ間の65kmは、「ライン渓谷中流上部」という名称で2002年に世界遺産登録されており、ドイツ旅行で人気のスポットです。
ライン川にはクルーズ船が運航しており、自然豊かな丘にあるドイツの古城を、のんびりと船の上から眺めて楽しむことができます。
クルーズ船は、マインツからケルンまでの全長185kmの区間を運航しており、すべてクルーズすると所要時間はなんと約11時間です…。
そこまでのんびりはできないので、今回は、ライン川クルーズで人気のハイライト区間「リューデスハイム⇒ザンクト・ゴアール(所要時間1時間40分)」で見た、お城の景色をご紹介していきたいと思います。
ライン川クルーズの地図(マップ)
ハイライト区間「リューデスハイム⇒ザンクト・ゴアール(所要時間1時間40分)」の船着き場、クルーズ船から見えるお城の場所をプロットした地図です。
南に示した船着き場が、今回の出発地リューデスハイム。北に示した船着き場は、到着場所のザンクト・ゴアールです。
リューデスハイム(Rüdesheim)
まずは、フランクフルトからリューデスハイムを目指します。
フランクフルトからリューデスハイムへは、1度乗り換えが必要です。
- 【ドイツ鉄道DB】フランクフルト中央駅(Francfrut Hbf) ⇒ ヴィースバーデン駅(Wiesbaden Hbf):約42分
- 【私鉄VIAS】ヴィースバーデン駅(Wiesbaden Hbf) ⇒ リューデスハイム(Rüdesheim):約31分
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ドイツ鉄道(DB)の公式サイトにアクセスすると、ドイツの電車路線検索ができます。
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リューデスハイムは白ワインの名産地で、街やライン川を見下ろす丘の上には、たくさんのぶどう畑を確認することができます。
クルーズ船が出発する前に時間がある場合は、ぶらぶらと路地の中を散策してみましょう。
「つぐみ横丁Drosselgasse」という路地には、多数のワインレストランが軒を連ねています。
ライン川クルーズの時刻表と予約方法
ライン川クルーズの時刻表
クルーズ船はKD社(ケルン・デュッセルドルフ汽船会社)が運営しており、時刻表は公式サイトで確認ができます。
午後の予定もしっかり楽しむのであれば、朝一番(9時台)の船がおすすめです。
ライン川クルーズのチケット予約
ライン川クルーズのチケットは、現地の発着場にあるチケット売り場で購入ができます。団体でなければ事前予約は必要ありません。
なお、耳より情報としてジャーマン・レイル・パスを持っていると、ライン川クルーズの料金料金20%割引で購入できます。
[aside type=”normal”]オプショナルツアー予約サイトのVELTRAでも、送迎付きのライン川クルーズのツアーが組まれています。
ドイツ 【 ライン川クルーズツアー 】 プランと料金
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今回乗船したスケジュール
私が乗船した「リューデスハイム ⇒ ザンクト・ゴアール」のスケジュールは以下の通りです。
Rüdesheim | 11:15 |
Bingen | 11:30 |
Assamannshausen | 11:45 |
Lorch | 12:05 |
Bacharach | 12:15 |
Kaub | 12:25 |
Oberwesel | 12:35 |
St. Goar | 12:55 |
リューデスハイムからザンクト・ゴアールまでは1時間40分(100分)です。
クルーズ船は2層になっており、船上には見晴らしの良いデッキがあります。今回訪れたのは8月でしたが、座席がなくなるほど混雑することはなく、デッキのテーブル席に座ることができました。
まずは反対岸のビンゲン(Bingen)へ。ここから乗船する方も多いようです。
このように、クルーズ船はライン川の右岸と左岸にある乗船場を交互にいくように、進んでいきます。
ネズミの塔(Mäuseturm)
まず左手に見えるのは「ネズミの塔(Mäuseturm)」。
このネズミの塔は、通行人や農民から通行税を徴収する関所だったようです。気になる名称の由来は、重税で人々を苦しめた大司教が、この塔でネズミに食い殺されたということから。ネズミに食べられるって…。
エーレンフェルス城跡(Ruine Ehrenfels)
ライン川の流れは、ゆるやかに、そして右へ左へと弧を描くように流れています。
自然豊かな丘に残る伝説を携えた古城が、旅に誘います。
14世紀のころから砦として戦闘時に利用された「エーレンフェルス城跡(Ruine Ehrenfels)」。
神聖ローマ帝国とフランス王国の間で起きた大同盟戦争(1688-1697)により、フランス側による爆撃を受け破壊されてしまいました。
ラインシュタイン城(Burg Rheinstein)
左手に見えてきた大きなお城は「ラインシュタイン城(Burg Rheinstein)」。
なんと、現在は個人所有になっているようです。なかには、礼拝堂があり、結婚式もできるとか。
ライヒェンシュタイン城(Burg Reichenstein)
再び左手に見えてきたのは、「ライヒェンシュタイン城(Burg Reichenstein)」。
ライン川沿岸の古城の中で最も古い歴史があるお城のひとつで、築年は11世紀です。盗賊に成り下がった貴族が占拠していたため、焼き払われたそう。
ゾーネック城(Burg Sooneck)
下級貴族が盗賊に成り下がり、この「ゾーネック城(Burg Sooneck)」を根拠地にして通行商人を襲っていたそうです。
今は場内見学もできるそう。いつか、ライン川沿いのお城を巡る旅をしてみたい…。
シュタールエック城(Burg Stahleck)
バッハラッハの丘の上にあるのは「シュタールエック城(Burg Stahleck)」。
選帝侯プファルツ侯爵の城だった建物は、再建されて現在はユースホステルになっています。
こちらがバッハラッハの乗り降り場。バッハラッハは、約1,000年の歴史がある村です。
左側を見ると、列車が並走して走っています。
プファルツ城(Die Pfalz bei Kaub)
右手に現れたのは「プファルツ城(Die Pfalz bei Kaub)」。
ライン川の中州にポツリと建っています。これまでの重厚な外観とは違い、可愛らしい外観ですね。
シェーンブルク城(Schönburg)
これまでに見たお城の中では最も高い位置にある「シェーンブルク城(Schöenburg)」。
1166年にバルバロッサ皇帝により建てられたシェーンブルク城は、エーレンフェルス城跡と同様に、神聖ローマ帝国とフランス王国の間で起きた大同盟戦争(1688-1697)により、フランス側による爆撃を受けて落城しています。
現在は「アウフ・シェーンブルク(Burghotel Auf Shönburg)」という高級ホテルになっているそう。宿泊料金を見ると、意外と高くないみたいです。いつか宿泊してみたい。
ローレライ(Loreley)
昔、船乗りが美しい乙女の歌声に惑わされて、次々に水の中に沈んでしまったという、伝説がある岩が「ローレライ(Loreley)」です。断崖絶壁。
ネコ城(Burg Katz)」
ネコ耳のような形をしているから「ネコ城(Burg Katz)」…と思いきや、違うらしい。
建築主のカッツェンエルンボーゲン侯爵という人物の名前が「ネコのヒジ」を意味するそうで、ネコ城という名称になっています。
ザンクト・ゴアール(St. Goar)
約1時間40分のクルーズで、ザンクト・ゴアール(St. Goar)」の船着き場に到着。
8月のライン川クルーズは風が気持ちよく、カメラを片手に、ビールを片手に、のんびりと過ごすことができました。
乗船場から歩いて2、3分の場所に駅があるので、そこから次の街、ケルンを目指すことにします。
まとめ
私は、大学受験の際に選択科目を世界史で受験したのですが、勉強している時に特に好きだったのが中世ヨーロッパの世界です。
とりわけ神聖ローマ帝国には魅かれるものがあり、ライン川を巡ることで、その歴史の舞台の一部を肌で感じることができました。
次にまた来れる機会があれば、じっくりと時間をかけて、お城巡りもしてみたいですね。
ライン川クルーズ観光情報
ドイツ鉄道ウェブサイト
DB(英語)
ライン川クルーズの時刻表(KDクルーズ)
KD Rhine timetable|KD(英語)
オプショナルツアー(VELTRA)
ドイツ 【 ライン川クルーズツアー 】 プランと料金
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