査定依頼

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不動産査定の方法

マンションの価格を査定してもらうために、不動産仲介業者に「不動産査定」をしてもらいます。
不動産仲介業者の専門家が物件の規模、設備、周辺環境、立地、市場動向(同じマンションや近隣マンションの売却事例)などを勘案して、その物件の適正な時価を算出します。

査定の方法には、「比較方式」、「収益方式」、「原価方式」などがあります。
「比較方式」は近隣の類似物件の売買事例を参考にするもので、「収益方式」は物件の収益力から評価するもの、「原価方式」は建物の再取得原価を基に評価するものです。
一般的にはこれらの方法を総合的に勘案して査定額を算出します。

ただし、マンションの場合は、同じマンション内での「成約事例」「売り出し事例」を元に査定金額を算出することがほとんど、つまり「比較方式」です。
もし同じマンション内での事例がない場合には、近隣にある似たような住環境のマンションの「売買事例」「売り出し事例」を複数ピックアップし、築年数や採光の向き、広さ、設備、売買年月日などを勘案して査定額を算出します。

不動産査定は複数社に依頼できる

不動産査定は複数の不動産仲介業者に依頼できます。
もちろん、一社のみに依頼することもできますが、少なくとも二社に依頼することをおすすめします。

複数の会社からの査定額を比較できるため、査定金額およびその根拠を比較することができます。
査定額に差が出る場合、その理由を査定会社に確認しておきましょう。
客観的な視点からマンションの魅力的な点やデメリットがわかり、売却戦略を立てる際に役立つ情報を得られるかもしれません。
また、あらかじめ「複数社に査定依頼する旨」を伝えておけば、査定を依頼した会社同士の競争意識が高まるため、査定額を押し上げる効果もあるかもしれません。

ただし、複数の不動産仲介業者に依頼するため、手間、つまり時間的なコストがかかります。
室内を見てもらってしっかりと査定してもらうのであれば、その都度に不動産仲介業者の営業さんとのアポイントが必要になります。
また、査定額に差が出ると、迷ってしまうこともあり、特に査定額の差が大きい場合、その判断が難しくなるでしょう。

もし不動産査定を一社のみに依頼する場合でも、表面上は「複数社に査定依頼する」ことを伝えた方が良いでしょう。
なぜなら、一社のみと分かっていると、「抑えめの査定金額」を提示される可能性があるからです。

では逆に、(例として極端ですが)「不動産査定を十社に依頼する」と伝えたらどうなるでしょう。
不動産仲介業者としては選ばれる可能性が少なくなりますから、片手間で査定を行う可能性があり得ます。
もちろん、表向きではそんなことは言いませんけれども。

査定金額はあくまでも査定金額である

査定金額とは、あくまでも査定金額です。
「絶対に成約する金額」ではありません。
時折、「査定金額が一番高い不動産仲介業者を選びましょう」という記載を見かけますが、査定金額が一番高くても、その金額で成約するとは限りません。

不動産仲介業者によっては「ひとまず高い金額で出しておいて、2ヶ月くらいしたら下げましょう」というところまで織り込み済みの上で「査定金額を高めに出す社風の会社」もあります。
ひとまず媒介契約を結んで売主と関係を作っておきたい、入口がなければ出口もない、といったところです。人は「何かを替える」のにはパワーを要します。
「すでに一度関係もできてるし」、「仮に他社の営業さんと合わなかったら面倒」というような心理も働きます。

査定金額が低い不動産仲介業者でも、その根拠を聞いてみる価値はあるでしょう。
金額が低いのはなぜなのか。
「まずはこれぐらいの金額で売り出したい」という売主の強い希望があれば、査定金額は査定金額として、売り出し価格を売主の希望に合わせる不動産仲介業者もいます。
それでも、あまりにも市場価格から乖離した金額であれば、逆に不動産仲介業者から断られてしまうかもしれませんが。

買取業社の買取という方法

査定金額は査定金額でも「買取査定価格」であれば、話は別です。
買取であれば、その金額が成約金額になるわけですから、その他諸々の条件が同じであれば、最も高い金額の買取査定価格を提示した不動産業者を選ぶ方が良いでしょう。

不動産買取業者による買取は、買い取った後にリノベーションなどをして利益を乗せて販売する想定のため、おのずと買取金額は不動産仲介業者による査定金額よりも低くなります。
一方で、買主がプロなので話の進みが早く、売買代金の支払いがキャッシュであれば契約から引渡しまでスピーディに行われることが多いのがメリットです。

一括査定について

不動産査定の依頼方法には、不動産仲介業者に直接連絡する方法のほかに、オンラインで一括査定を依頼する方法があります。

一括査定のメリットは、オンラインで物件情報などを入力するのみで、複数の不動産仲介業者に不動産査定をまとめて依頼できる点です。
一方でデメリットもあり、複数の不動産仲介業者に依頼するため、都度会っていると時間的なコストがかかります。

場合によっては「机上査定」という方法も取れます。
机上査定とは、室内を見ることなく、成約事例や売り出し事例のデータだけを見て査定する方法です。
室内を見てもらった方がより正確な査定ができますが、メリット・デメリット勘案した上で選ばれることをおすすめします。

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