一般媒介で不動産を売却するメリット・デメリットとは?

pepper-467270_1280

マイホームやマンションなどの不動産を売却する際、不動産仲介業者数社に価格査定の依頼をし、売却活動を依頼する不動産仲介業者と「媒介契約」を交わす必要があります。

媒介契約は以下の3種類です。

種類 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数社依頼 × ×
自ら発見した相手方との契約 ×
媒介契約の最長期間 法令上制限なし 3ヵ月 3ヵ月
レインズへの登録 法令上義務なし 媒介契約締結日から7日以内 媒介契約締結日から5日以内
業務処理報告 法令上義務なし 2週間に1回 1週間に1回
後ほど説明する際、肝となる部分を太字にしています。

現実的には「自己発見取引も不可」の「専属専任媒介契約」は、実務上ほとんど見かけることはありません

不動産を売却する際、一番多いのは一つの業者に専任で売却活動を任せる「専任媒介契約」です。

そして、時折見かけるのが「一般媒介契約」です。なぜ一般媒介契約を選ぶのか?そのメリットとデメリットは?

スポンサーリンク

 

一般媒介契約を選ぶ理由

そもそも、なぜ一般媒介契約を結ぶ人がいるのでしょうか?選ぶということは、先ほどの表の中のどこかに「一般媒介契約のメリット」を感じたからでしょう。

売主が一般媒介契約を選ぶ理由はズバリ、一般媒介契約のみ「複数社に依頼可能」だからです。

複数の不動産仲介業者を噛ませれば、それぞれの仲介業者の自社ウェブサイトに物件が掲載されます。

一社のみに任せる専任媒介契約よりも、複数社と一般媒介契約を結べば単純に認知媒体(自社ウェブサイト掲載)の数が増えるため、問い合わせや案内希望の引合客が増やせるのではないか?という期待感があります。

しかし、実際にこの方法でうまくいくケースは稀です。

 

不動産仲介業者側の心理

businessmen-530331_1280

一般媒介契約を結んだ不動産仲介業者は何を考えているのか?ここにヒントがあります。

極論を言うと「どうやったら稼げるか?」を考えています。本音と建前という言葉がありますが、現在わたしは不動産屋ではありませんので、ブログ上では本音しか書きません。

売買価格 媒介報酬(仲介手数料)
200万以下の金額 =5%
200万円を超え400万円以下の金額 =4%+2万円
400万円を超える金額 =3%+6万円

仲介手数料の金額は、上記のように法律で上限が決められています。

専任媒介契約の場合

仮に3,000万円で売主と専任媒介契約を締結したとします。

買主が決まり無事成約に至った場合、売主から受領できる仲介手数料は3,000万円×3%+6万円=「仲介手数料=960,000円+消費税」、つまり96万円です。

物件に指値(値引き)が入れば、仲介手数料が減る可能性はあるものの、売主から90万円前後は入金できる想定がたちます(当然集客や売れ行きが乏しくなく、売主から「お宅にはもう頼まない」と言われればゼロですけど)

さらに、自社のウェブサイトや折込チラシなどで集客に成功し、自身で買主を客付けすれば、買主からも仲介手数料を受領できます。その場合、成約金額が3,000万円であれば、買主からも96万円を受けとれます。

一般的には、売主と買主の仲介を両方とも行うことを「両手仲介」といいます。

専任媒介契約であれば、最低でも売主から片手の約90万円、うまくいけば買主からも約90万円受領ができる、よし、頑張るぞ!紙媒体(新聞折込、ポスティング)で告知して、オープンルームをやって両手仲介狙うかなー。

こんな感じですね(笑

一般媒介契約の場合

仮に3,000万円の金額で、売主と「一般媒介契約」を締結したとします。

まず気になるのは、「売主が何社と一般媒介契約を結んだか?」です。単純に、自分の会社を含めて2社であれば、仲介手数料入金の期待値とやる気は半分になります。3社であれば、3分の1です。

なぜなら、他の仲介業者経由で話(買主)が入った場合、自社は一切仲介手数料がもらえないからです。さて、どのようなことを考えるか?

「入金ゼロのリスクがあるのに、自分の時間を割いたり、大々的な広告費はかけられないよね」となります。

この場合、告知する媒体は

  • レインズ
  • 自社ウェブサイト

こんなところでしょう。追加でお金がかかる媒体には、よほどいい物件(物件のスペックと金額で考えた場合に割安水準)でない限り、広告費を投下しません。

ラッキーパンチで問い合わせがくればいいなー。さて、他の(期待値が高い)仕事しよ。

こんなところです。売り出し価格が相場に近ければすぐに成約になる可能性もありますが、「責任の所在も中途半端、報酬も中途半端、やる気も中途半端」です。

 

レインズに垂れ流すと物件の鮮度が薄まる

studio-688192_1280

レインズとは、不動産仲介業者だけが見れる「ウェブ上の市場」のようなウェブサイトです。

お客さんから「土地を紹介してほしい」「マンションを案内してほしい」と言われたら、予算を聞いたうえでレインズで物件検索をします。

不動産の営業はこのレインズをほぼ毎日見ています

  • 「あー、この物件まだこんな高い値段で売ってるのー、無理無理」
  • 「お、このエリアで出たかー、この前のお客さんに紹介してみよう」

といったところ。

そして、市場に出回っているにもかかわらず全然売れない物件は、野菜と同じように、物件の鮮度がどんどん下がっていくわけです。

すると、その先で仮に買付(申込)が入ったとしても、買い側の仲介業者やお客さんから大きな指値(値引き)が入ります。強気に出られやすいんです。

そうは言っても相場価格では売れるでしょう…と思う方が非常に多い。気持ちはわかります、気持ちはわかるのですが…、スーパーで1週間前に売られていたキャベツが相場価格で売られていたら買いますか?

不動産は野菜とは違い「唯一無二」なので、そこは大きな違いですが…。

 

一般媒介契約をうまく使いこなす方法

とはいえ、一般媒介契約が一切ダメか?というとそうではありません。

要は、むやみやたらに一般媒介契約を結び、むやみやたらにレインズ(市場)に掲載するから、物件の鮮度が下がり、垂れ流しになるわけです。

この記事の冒頭に書いた表の通り、一般媒介契約にはレインズへの登録義務はありません

そのため、レインズへの登録をしないことを前提に不動産業者と一般媒介契約を結んで売却活動をしてもらえれば、市場に物件が出回らないため、他業者に物件認知がされにくく、鮮度を一定水準で保つことができます。

とはいえ、複数社にお願いすればお願いするだけ、営業はやる気をなくしますので、その点に変わりはありません。

ある土地を売却するとします。財閥・金融系の不動産仲介業者と、ハウスメーカー系の不動産仲介業者の二社だけに絞り、1ヵ月と期間を区切って一般媒介契約を結ぶ。

財閥・金融系の不動産仲介業者には、独自のルートでインナーで紹介してもらう。ハウスメーカー系の不動産仲介業者には住宅展示場で注文住宅検討のお客さんにインナーで紹介してもらう。紹介する分にはタダですから。

一般媒介契約だからといっても、複数社でなくてもOKです、一社でもいい。一社なら一般媒介契約でも多少はやる気がアップするでしょう。

一般媒介契約でのインナー紹介で成約になればそれでよし、もし1ヵ月経過して決まらない場合は、専任媒介契約で鮮度を保ったままリスタートすればいい

 

まとめ

さいごにお伝えしたいのは、デベの新築マンションを除く「不動産売買は流通市場である」ということです。流通市場の価格は売主と買主の合意があってはじめて決まります。

シャープ[6753]の株を高値掴みした人が、この株価で売りたい!と思っていても、株式市場で「そんな値段じゃ買わないよ」と言われたら、おとなしく損切りするしかありません。なぜなら、その値段で買いたい人がいないからです。

不動産流通市場で「そんな値段じゃ買わないよ」と言われたら、値段を下げるしかありません。なぜなら、その値段で買いたい人がいないからです。

不動産というのは、金額が高いうえに、住んできた思い出や思入れがあるので、強いバイアスがかかりがちです。その心理に付け込み、相場から大きくかけ離れた高い査定価格を提示し、媒介契約を強奪する不動産仲介業者もいます。査定価格と相場価格は違う場合が往々にしてあります。

不動産の売却査定をする際は、複数の不動産仲介会社に査定依頼をし、比較検討するのが肝要です。

label-381246_640不動産の売却査定を依頼する際の注意点を元不動産屋が語ってみる
不動産売却に関連した記事については、当ブログでも何回か取り上げさせていただきました。 売却のおすすめ時期や不動産会社による囲...
sony_real_estate2ソニー不動産 売却 査定エージェントの評判はどうよ?
今回はソニー不動産の売却・査定のお話。 ソニーの株価が「3桁」の時に安値で拾い、現在も保有しているため、ソニーおよび関連子会社...

ソニー不動産 売却相談・査定申込

pepper-467270_1280

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA