先日書いた不動産仲介業者の売主囲い込みについてのブログ記事は、大きな反響がありました。
[blogcard url=”http://aokitrader2.com/kakoikomi-checker”]というのも、テレビ東京系列の番組「ワールドビジネスサテライト」で不動産仲介業者の囲い込みの実態についての特集が組まれ放送(2015年5月26日の回)されたからです。
今日の特集は、『囲い込み」と言われる、不動産業界の不正疑惑について取り上げます。WBSでは、いま業界を揺るがしている告発レポートを入手。さらに独自の取材を加えて、大手不動産業者の不正疑惑の真相に迫ります。ぜひご覧ください。#wbs pic.twitter.com/vP6YKfUWBP
— WBS(ワールドビジネスサテライト) (@wbs_tvtokyo) 2015, 5月 26
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「囲い込み」は間違いなく存在する
WBSの独自調査では100件中9件が囲い込み
ワールドビジネスサテライトの出演者である、大浜キャスターも参加して行った「WBSの独自調査(電話による物件確認)」では、100件中9件に囲い込みの疑いがあるとの結果となりました。
先日の週刊ダイヤモンドの調査記事(囲い込み率12.9%)とほぼ同じ調査結果ですね。
週刊ダイヤモンドの調査した囲い込み率を見ると、住友不動産販売(囲い込み率5.4%)と東急リバブル(3.8%)についてはまだ可愛いものですが、三井不動産リアルティ(囲い込み率21.2%)についてはかなり異常といえます。
大手三社は囲い込みの事実を否定
しかし、WBSの番組内でも、大手不動産仲介三社(三井不動産レジデンシャル、住友不動産販売、東急リバブル)は囲い込みの事実について否定をしていました。
三井不動産リアルティ
「これまで囲い込みの事実が明らかになったケースはありません」
住友不動産
「(囲い込みの)実態はないと認識している」
東急不動産ホールディングス
「(囲い込みの)事実はないと認識している」
いっそのこと「囲い込みの事実を数件確認しました。今後改善すべく社内徹底する」ぐらいの方が潔くて良かった気がしますけどねー。
どうやって社内で確認したかは分かりませんが、あれだけ多くの営業所があって多数の社員がいて、1件も確認が取れないなんてありえない気はします、、、が。
売主が不動産の「囲い込み」を直接チェックする方法
さて、先日の記事では、囲い込みチェッカーという「囲い込みのチェックを外部に依頼できる」ペラサイトがオープンしたたことをご紹介しました。
[blogcard url=”http://aokitrader2.com/kakoikomi-checker”]しかし、売主としては個人情報を顔を知らない相手に知らせることになるので、利用するには怖い部分がありますよね。
そこで、以下では「売主が直接囲い込みをチェックする方法」をご紹介します。ちょっとした裏声と演技力と忍耐があれば、誰でもできます。
電話で「物件確認」をする
普段、不動産仲介業者の間では「物件確認」と呼ばれる、「電話確認」を頻繁に行っています。
これからお客様を案内したい物件に「購入申し込みがあるかないか」を、電話で確認する作業です。申込が入っているにもかかわらず、お客様を案内したら「なんで紹介したんだ!」とトラブルになってしまいますからね。
それを未然に防止するため、電話で確認するという原始的な方法が取られています。
「囲い込みのチェック」には、この物件確認の作業を利用します。
- 売主自身が不動産業者を装い、電話で「物件確認」を行う
- 一般客を装い、電話で「問い合わせ」する
以上の2回の電話により、自分やご家族の大切な思い出が詰まったマイホームが、囲い込みされているかどうか判別できます。
不動産業者の時に「申込みあり」、一般客の時に「申込みなし」だと囲い込みの疑い
不動産業者を装って物件確認した際に「空いてません」と言ったにもかかわらず、一般客を装って物件確認した時に「空いています」と言ったら、囲い込みの疑いが高まります。
なお、不動産仲介業者にはナンバーディスプレイがあると思われますので、非通知サービスを利用するか、知り合いの電話を借りて物件確認するのがベストです。
また、声バレが怖いのであれば、知り合いにお願いして電話してもらいましょう。
まずは不動産業者を装って「物件確認」
Trrrr…
売側仲介業者「はい、○○不動産です」
売主「▲▲不動産の■■と申します。お世話になります。物件確認お願いします」
売側仲介業者「はい、どうぞー」
売主「●●区●●の中古戸建、●●●●万円です」
売側仲介業者「えー、その物件、1件申込み入ってますねー」
そして一般客を装って「問い合わせ」
Trrrr…
売側仲介業者「はい、○○不動産です」
売主「すみません、今インターネットを見てるんですけど、●●区●●丁目の中古戸建、●●●●万円を案内してもらうことはできますか?」
売側仲介業者「はい、●●区●●丁目の中古戸建はご案内可能です」
売主「物件のあるエリア、妻が気に入ってるんですよねー…。ちなみに、まだ申込みとかはないですか?」
売側仲介業者「はい、まだ申込みはないですよ」

⇒ハイ、囲い込み確定
以上です、30秒程で簡単に囲い込みの有無を確認できます。
もし、本当に物件に申込みが入ってるのであれば、既に担当営業から売主さんに「申込みが入った旨の連絡」が来てるはずですからね。
なお、一般客を装って電話をした際は「妻と相談してまた連絡します」とか言ってサクッと電話を切りましょう。電話に出た営業によっては強引にアポ取りしてくる可能性もあります。不動産、とくに売買仲介の営業はノルマが厳しいので結構しつこいです。
囲い込みされやすい物件
囲い込みをされやすい物件は、私の想像し得る限り、以下のようなものが挙げられます。
- 売買金額が高い物件
- 週末に新聞の折込チラシ等で告知してオープンルーム(販売会)をやる予定の物件
- 自社のお客さんで商談中で週末クロージング(購入意思の確認)予定の物件
売却物件の担当営業が週末の予定スケジュールを空け、かつ広告費をかけてオープンルーム(販売会)をする予定の中、オープンルーム前に他社が連れてきたお客さんで決まってしまったら、営業の週末の予定が狂う上に、広告費をドブに捨てることになります。
また、自社で客付けできそうな可能性があるお客さんとの折衝を控えているのであれば、その結論が出るまでは囲い込みをしておこう…ということもあり得ます。
まあ、要約すると、営業の実績を大きく出すチャンスがありそうな物件程、囲い込みされやすいと言えそうです。
まとめ:WBS、GJ!
以上、いかがでしたでしょうか?
大手の看板やブランドを信じて依頼したのに、実はまったく逆の行動を取られていたとなれば、これほど悲しいことはありません。まあ、真実かどうかは、私の立場では判断できませんけどね…。
さいごに、不動産業界のいわば「聖域」に踏み込んで調査を行い、特集を組んで放送したテレビ東京とWBSに拍手を送りたいと思います。
スポンサーとか、色々大人の事情もあるでしょうに…、聖域なくバッサリいってしまう報道姿勢、素晴らしい!
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