国内流通首位のイオン[8267]から配当金および中間報告書をいただきました。中間報告書の内容を見たところ、2015年2月期から、長期保有株主優待制度も新設されました。
今回はイオン[8267]の株主優待をご紹介します。
イオン・オーナーズカード(AEON OWNER’S CARD)
「イオン・オーナーズカード」は、イオン株式会社の株式を100株以上所有していると受け取れる株主優待カードです。
保有株数に応じて、キャッシュバックの金額が変わります。
毎日の買い物がお得、3~7%のキャッシュバック
オーナーズカードを提示し、現金、WAON(イオンの電子マネー)、イオンマークのカードによるクレジット払い、イオン商品券、イオンギフトカードで精算すると、対象となる支払金額合計に対し、持株数に応じた返金率をかけた金額を「半期毎」にまとめてキャッシュバックされます。
仮に単元株の100株保有で「3%キャッシュバック」だとしても、意外とあなどれません。以下でシミュレーションしてみます。
(例) 半期の支払金額「50万円」の場合
500,000円×3%=15,000円キャッシュバック
(例) 半期の支払金額「30万円」の場合
300,000円×3%=9,000円キャッシュバック
株主優待制度が永久につづく保証は当然ありません。しかし、イオンを普段利用する人であれば、キャッシュバックを上手に使うことで、投資分を回収できる可能性すらあります。
株価は日々変化していますが、仮に株価1777.5円の場合で考えます。
100株購入で投資金額は177,750円(手数料を考慮しない)。半期9,000円のキャッシュバックを年間になおすと年間18,000円。×10年で180,000円。株主優待だけで10年で投資金額を回収できる計算です。
もちろん、別で配当金(後述)がありますから、イオン利用者は使わない手はありません。
まいばすけっと・ダイエー・マックスバリュでも使える
都内、特に23区内の場合、イオンの店舗はなかなか見かけません。
しかし、私の最寄駅にはイオングループの「まいばすけっと」があります。実は、イオン・オーナーズカードは「まいばすけっと」や「ダイエー」、「マックスバリュ」でも利用可能です。
キャッシュバック対象店舗
- イオンリテール(株)[イオン、ビブレ、フォーラス、ザ・ビッグ]
- イオンリテールストア(株)[イオン]
- イオン九州(株)[イオン、ホームワイド、イオンスーパーセンター、スーパーワイドマート、ワイドマートドラッグ&フード]
- イオンストア九州(株)[イオン]
- イオン北海道(株)[イオン、イオンスーパーセンター、まいばすけっと]
- イオン琉球(株)[イオン、マックスバリュ、ザ・ビッグ]
- (株)ダイエー[ダイエー、グルメシティ、foodium]
- マックスバリュ北海道(株)[マックスバリュ、フードセンター、ジョイ、プライスマート、ザ・ビッグ]
- マックスバリュ東北(株)[マックスバリュ、ザ・ビッグ、ウエルマート]
- マックスバリュ南東北(株)[ザ・ビッグ]
- マックスバリュ関東(株)[マックスバリュ]
- マックスバリュ長野(株)[ザ・ビッグ]
- マックスバリュ北陸(株)[マックスバリュ]
- マックスバリュ東海(株)[マックスバリュ、ザ・ビッグ、キミサワ、ザ・コンボ]
- マックスバリュ中部(株)[マックスバリュ、ザ・ビッグ、ミセススマート]
- マックスバリュ西日本(株)[マックスバリュ、ザ・ビッグ]
- マックスバリュ九州(株)[マックスバリュ、アーガス、ハロー、くらし館、ザ・ビッグ]
- (株)光洋[マックスバリュ、KOHYO]
- (株)マルナカ[マルナカ、ザ・マイケル、パワーシティ、スーパーセンター、マール、マルイ]
- (株)山陽マルナカ[マルナカ、マックスバリュ]
- イオンマーケット(株)[ピーコックストア、Pマート]
- イオンスーパーセンター(株)[イオンスーパーセンター]
- イオンビッグ(株)[ザ・ビッグ]
- まいばすけっと(株)[まいばすけっと]
- アコレ(株)[アコレ]
- (株)ボンベルタ[ボンベルタ成田]
- (株)コックス (※)[イッカ、イッカラウンジ、LBC、LBCマーケット、LBCトピックス、LBCウイズライフ、ヴァンス、ヴァンスエクスチェンジ、ヴァンスシェアスタイル、カレント]
- (株)ジーフット(※)[アスビー、アスビーファム、アスビーフォーラム、アスビーウォーク、アスビーキッズ、ニューステップ、ニューステップex、ペンタスクラブ、フェミニンカフェ、H2カンパニー、キックゾーン]
- (株)イオンボディ(※)[イオンボディ]
- (株)未来屋書店(※)[未来屋書店、ミライア、ブックバーン、LEMIRAI、Futura]
- イオンリカー(株)[イオンリカー、カフェランテ]
- イオンバイク(株)[イオンバイク、サイクルテラス]
- R.O.U(株)[R.O.U]
※の会社・店舗は現金払いのみ
旧ダイエー派の株主にとっては、ダイエーやグルメシティ、フーディアムでイオンの株主優待が使えるようになったのはせめての救いですね。家族も利用できる家族カードはなくなってしまいましたけど。
ネットショッピングでも利用可能
イオンオーナーズカードは、以下のネットショッピングでも利用可能です。
- おうちでイオン イオンネットスーパー
- おうちでイオン イオンショップ
- おうちでイオン イオンdeドラッグ
- ネットで楽宅便
- ダイエーネットスーパー
- ダイエーネットショッピング
イオンショップでは、お中元やお歳暮、バレンタイン、ホワイトデー、父の日、母の日などのイベントだけでなく、衣料品や日用品の在庫一掃セールを行っていることもあります。
セール品を株主優待のイオンオーナーズカードを使って購入すれば、さらにお得になります。
▼ おうちでイオン イオンショップ ▼
おうちでイオン イオンショップ
イオン株をいつまでに買えば良い?権利確定月
イオン[8267]の株主優待権利確定月は2月・8月です。
株主優待銘柄は、権利付最終日を過ぎると、株主優待の価値分と配当分の価値が減るため、その分だけ株価が下がります。
もしイオン[8267]株を購入するのであれば、権利確定月前のタイミングで仕込むのがよいかもしれません。現在、まだ証券会社をお持ちでない方は、以下の記事で証券会社を紹介しています。
[blogcard url=”https://aokitrader2.com/securities-opening-of-account”]
イオンラウンジ(AEON LOUNGE)
株主優待のイオンオーナーズカードを利用すれば、全国169店舗のイオンラウンジを利用できます。
利用1組当たり最大4席まで利用できるので、買い物が終わったあとにゆっくり休むのにぴったりです。
長期保有株主優待制度
株主優待制度が充実しているイオン[8267]ですが、2015年から「長期保有株主優待制度」を新設しています。
条件は、毎年2月末日の株主権利確定日の「株主名簿」にもとづいて、イオン[8267]の株式を「3年以上継続して保有」かつ「1,000株以上所有」していることです。
保有株式数に応じた金額のイオンギフトカードが進呈されます。
2月末時点保有株式数 | ギフトカード金額 |
1,000株~1,999株 | 2,000円 |
2,000株~2,999株 | 4,000円 |
3,000株~4,999株 | 6,000円 |
5,000株以上 | 10,000円 |
貸株サービスは注意
しかし、長期保有株主優待制度には注意点があります。
条件である3年以上継続保有の株主とは、2月末日および8月末日時点の株主名簿に同一株主番号で、7回以上連続で記載された株主のことを指します。
SBI証券やカブドットコム証券などには、証券会社の「貸株サービス」がありますが、貸株サービスを利用した場合、株主番号が変わる可能性があり、継続保有期間が途切れてしまうかもしれません。
この点については、保有年数に応じた株主優待を行っているビックカメラ[3048]の株主優待やキユーピー[2809]の株主優待、ユーグレナ[2931]なども同様です。
個人株主さま向け優遇サービス
イオン[8267]と大手ネット証券会社のマネックス証券がタイアップした「個人株主さま向け優遇サービス」。
これは既にイオンの株主の方が、マネックス証券で、イオン[8267]の株式を買い付ける場合に「株式委託手数料(売買手数料)」が無料となる優遇サービスです。上記のハガキから優遇登録すると、有効期間内では何度でも利用することができます。
イオン[8267]株ばかりを購入するということはあまりないのかもしれませんけど、先ほどご紹介した長期保有株主優待でギフトカードを狙うには1,000株以上の保有が必要です。現在700株とか800株とかであれば、「個人株主さま向け優遇サービス」を利用して手数料無料で1,000株到達を狙うのもアリかもしれません。
※株式らくらく口座、NISA口座での取引は対象外
旧ダイエー株主は「買取」および「買増」請求可能
2015年1月1日の「株式交換」をもって、ダイエーの株式はイオンの株式が割り当てられました。旧ダイエー株1株に対しイオン0.115株の割り当てです。そのため、旧ダイエーの株主は「単元未満株」を持っている可能性があります。
実は、私もそのひとりでして、旧ダイエー株200株にイオン株0.115株が割り当てられたため、現在はイオン[8267]の株を23株保有しています。かなり中途半端ですよね。実は、この状態だと株式市場で売却できないなど、大きなデメリットがあります。
単元未満株のデメリット
- 株式市場で売却できない
- 株主優待がもらえない
- 議決権がもらえない
配当金はもらえますが、イオン株の魅力である株主優待がもらえないため、下記の2つのいずれかの方法で、単元未満株を買い取ってもらうか、単元株まで買い増しをするのがベターです。
単元未満株買取制度
「単元未満株買取制度」では、現在保有しているイオンの単元未満株を、イオンに買い取ってもらう制度です。もうイオンの株はいらないということでしたら、イオンに売却してしまいましょう。
なお、手続きは保有している口座の証券会社を通じて行う必要があります。
単元未満株式買増制度
「単元未満株式買増制度」では、単元株式の数に不足する数のイオン株式を買増しして単元株式にまとめることができる制度です。私のケースを例にあげると、現在イオン株を23株保有のため、単元株式100株にするために、77株を買い増しするということです。
この場合も、手続きはイオン株式を保有している口座の証券会社に連絡をして手続きをします。
詳細は、下記の記事でもご紹介しています。
[blogcard url=”https://aokitrader2.com/tangenmimankabu”]
イオンカードセレクトでさらにお得
イオンカードセレクトはイオンでのお買い物がお得になるクレジットカードです。
- 毎月20日・30日の「お客様感謝デー」は%OFF
- 毎月5日・15日・25日は「お客様わくわくデー」ポイント2倍
- 55歳以上の会員だと、毎月15日は「G.G感謝デー」5%OFF
- 毎月10日はイオングループ以外でもときめきポイント2倍
イオンカードセレクトと株主優待を併用して使いこなすことで、よりお得にイオンでのお買いものができます。
イオン[8267]年間配当金の推移(1株当たり)
2016年2月期(予想)
2016年2月期(予想) | 中間 | 期末 | 年間 |
14.00 | 14.00 | 28.00 |
過去5年間の配当金推移および配当性向(%)
1株当たり配当金(円) | 配当金総額(年間) | 配当性向 | |||
中間 | 期末 | 年間 | (百万円) | (%) | |
2016年2月期 | 14.00 | ||||
2015年2月期 | 14.00 | 14.00 | 28.00 | 23,627 | 55.8 |
2014年2月期 | 13.00 | 13.00 | 26.00 | 21,780 | 46.5 |
2013年2月期 | 12.00 | 12.00 | 24.00 | 18,975 | 25.1 |
2012年2月期 | ― | 23.00 | 23.00 | 17,697 | 99 |
※配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
イオンが公表している配当の基本方針では、連結配当性向30%を目標としています。年間配当金は10年前の2006年度は15円でした。そこから17円、20円…と徐々に右肩上がりの推移となっています。
旧ダイエー派の株主は肩身が狭い…。社員の方のほうが肩身狭そうですが;
イオン[8267]の連結業績
連結業績状況
イオン[8267]連結業績状況(単位:百万円) | |||
2013年2月期 | 2014年2月期 | 2015年2月期 | |
売上高 | 5,685,303 | 6,395,142 | 7,078,577 |
営業利益 | 190,999 | 171,432 | 141,368 |
経常利益 | 212,907 | 176,854 | 152,509 |
当期利益 | 74,697 | 45,600 | 42,069 |
連結キャッシュ・フロー
イオン[8267]連結キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) | |||
2013年2月期 | 2014年2月期 | 2015年2月期 | |
営業CF | 142,289 | 482,765 | 398,453 |
投資CF | ▲324,869 | ▲221,621 | ▲361,838 |
財務CF | 223,234 | ▲67,806 | 95,527 |
フリーCF | ▲182,580 | 261,144 | 36,615 |
営業CF(営業キャッシュフロー)は仕入れて加工して売った営業活動による「本業の儲け」です。投資CF(投資キャッシュフロー)は工場建設、研究開発など設備投資です。
上記はイオン[8267]の過去10年の営業CFと、絶対値(マイナスをプラス)にした投資CFの、前年分を積み上げていったグラフです。過去10年間を見ると、営業CFも順調に積み上がっていますが、投資CFは営業CF以上に積みあがっており、イオンが地方都市にも店舗数を増やしながら、投資を積極的に行ってきたことが分かります。
しかし、直近の2期(2014年2月期と2015年2月期)についてはフリーCFがプラスに転換しています。
事業のセグメント情報(2015.3.1~8.31、単位:百万円)
セグメント | 営業収益 | 営業利益 |
GMS事業 | 1,370,929 | ▲8,712 |
SM・DS事業 | 1,556,966 | 6,105 |
小型店事業 | 178,139 | 2,163 |
ドラッグ・ファーマシー事業 | 294,429 | 8,211 |
総合金融事業 | 175,291 | 27,289 |
ディベロッパー事業 | 132,632 | 20,877 |
サービス・専門店事業 | 374,715 | 16,400 |
国際事業 | 217,110 | ▲968 |
その他事業 | 5,959 | ▲1,733 |
調整額 | ▲231,285 | 2,633 |
連結 | 4,074,889 | 72,266 |
●GMS事業/総合スーパー ●SM・DS事業/スーパーマーケット・ディスカウントストア等 ●小型店事業/コンビニエンスストア、弁当惣菜専門店等 ●ドラッグ・ファーマシー事業/ドラッグストア ●総合金融事業/クレジットカード事業、フィービジネス、銀行業 ●ディベロッパー事業/ショッピングセンターの開発および賃貸 ●サービス・専門店事業/総合ファシリティマネジメントサービス業、アミューズメント、外食、ファミリーカジュアルファッション、婦人服、靴等を販売する専門店 ●国際事業/ASEAN地域・中国における小売事業 ●その他事業/Eコマース等
イオン[8267]の株価チャート
直近チャート(10年)
直近チャート(2年)
まとめ
イオン[8267]の株主優待は、普段、イオンを利用して買い物をする方には、かなりお得な株主優待といえます。
[blogcard url=”https://aokitrader2.com/securities-opening-of-account”]
コメント
コメント一覧 (3件)
アオキさん、こんばんわ
イオンのオーナーズカード、実は家族1名分も来るので、実質2枚のカードが届きますよ。
また、元ダイエーの株主限定ですが、年会費無料のイオンゴールドカードも手に入れることができたので、ダイエー株主でよかったと思っています。
ダイエーやマイバスケットに関係している仕事をしていますが、マイバスケットに関しては仕事が極端に増えているので、恐らくかなりの店舗数が増えているんでしょうね。
そういえば、自宅付近にもアコレというイオン系列のスーパーができていたので、イオンカードのワオンで買い物をすることも増えました。
そういえばコンビニ業界ではサークルKサンクスを運営しているユニーがファミリーマートと経営統合とかもあり、ファミリーマートに一本化するようなのでダイエーもいずれはマックスバリューとかに名前が変わっていそうな気がしますね。
guguさん、こんにちは。
イオンのオーナーズカードも家族カード発行できますか!わたしの調査不足です;教えていただきありがとうございます。ダイエーもそうでしたが、イオンは全国展開でかつ店舗数が多いだけに、家族カードがあると便利ですね。
元ダイエー株主限定のゴールドカード、わたしの手元にも申込用紙をいただきましたが、申込みし忘れてしまったんですよね…痛恨です;
まいばすけっとの店舗数増えていますか。たしかに、わたしの自宅の最寄駅(そんなに大きな駅ではありません)にも、2つ目の店舗がオープンしました。プライベートブランドの安い商品もあるし、便利なんですよね。
小売業は経営統合や再編が激しいですね。ファミマにサークルKサンクスが吸収される可能性があるということですか…。
追記ですが、ユニーとファミリーマートが合併して、サークルkサンクスもファミリーマートに一本化されるのは確定です。
コンビニ大手で言えば、セブンイレブンを筆頭にファミリーマート、ローソンと続いていますのでファミリーマートがシェアを上げることでローソンも対策を考えているようです。
アオキさんは関東みたいなので知っていると思いますが、関東にはスリーエフというコンビニがあり、少し前にローソンとの提携を発表しました。
大昔のローソンはダイエー系列だったので、イオン系列のミニストップと統合するのかな?と思ったことがありましたが、この業界はなかなか難しいです。
ただ、大手スーパー(知っている限りではマルエツとピックA)なんかは深夜営業をしていて、コンビニより商品が豊富+価格が安いので、小売はコンビニが独裁とかはないのかな?と思っています。