「不動産広告」の見方。徒歩分数?予告広告?陽あたり良好?

不動産広告ハンドブック

郵便受けをチェックすると、よく「不動産広告」が入っていますよね。新築分譲マンションや新築戸建、中古もあれば、土地もあります。

今回は、マイホームを探すにあたり「これだけは知っておきたい」という不動産広告の見方をご紹介していきたいと思います。

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これだけは知っておきたい「不動産広告」の見方

不動産広告ハンドブック

なお、今回ご紹介するにあたり、こちらの書籍も利用します。

不動産公正取引協議会連合会事務局が発行している「不動産広告ハンドブック」です。わたしが分譲営業をしていたころ、よくこの本を見て広告のチェックをしつつ、自ら九段下にある協議会事務所に行って確認したりもしてたんですよ~。

では、いきましょう。

「徒歩分数」は何を基準に計算しているのか?

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徒歩所要時間の表示方法については「80mを1分」で計算します。実際に現地で測るのではなく、「キョリ測」などのサイトを利用して計算することが多いです。

仮に、当該不動産から最寄駅の中野駅までが800mであれば「JR中央線中野駅まで徒歩10分」といった具合です。なお、1分未満の端数が生じた場合は1分に切り上げて表示します。850mであれば「徒歩11分」になるわけですね。

しかし、ここで問題が生じます。あくまでも距離をベースにしているので、坂道や歩道橋や階段の起伏(高低差)、信号の待ち時間は考慮されません。そのため、埼玉県のように平地が多いエリアの800m(徒歩10分)と、神奈川県の横浜南部や川崎の西エリアなどの起伏の激しいところの800m(徒歩10分)では、実際に歩くとかなり所要時間が違うことが多々あります。

大型分譲地・分譲マンションの「徒歩分数」も要注意

都心から離れた郊外のエリアでは1,000戸規模の大型マンションや大型分譲地もありますよね。そうすると、分譲地内の端から端まで歩くのに5分とかかかる物件もあります。

しかし、実際には団地(一団の宅地または建物)から駅や他の施設までの距離(および所要時間)は最も近い当該団地内の地点を起点にしています。つまり、不動産広告上で「駅徒歩5分(400m)」と謳っていても、「え、この号棟(号室)だと、どう考えても10分以上かかるよね」ということもあり得るわけです。

「完全」「完璧」「絶対」「万全」などの用語はアウト

  • 完璧な施工!
  • 震度7の地震でも絶対に倒壊しない耐震性!

客観的に実証することが不可能であるにもかかわらず「完全無欠」であることを意味する表現は完全アウトです。最近は結構厳しくなってきたとはいえ、いまだに物件の品質が「完全無欠」であることを意味するワードを使用している不動産業者も存在します。こういう禁止ワードを不動産広告で平気で使っている不動産業者が「完璧な施工」と言っている時点で、本当に施工だいじょうぶ…?と思ってしまいますけどね。

「陽あたり良好」は表現OKだが、個人の主観によるので注意が必要

憧れのマイホームを購入するのであれば、陽当たりは重視したいところですよね。不動産のチラシを見ていると「陽当たり良好」という表現を使っていたりしますが、「陽当たり良好」の表現そのものは不動産広告上、白です。ただし、実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示はNGと、結構あいまいなんですね。

なお、不動産広告ハンドブックには、以下の表現は「違反」と表記されています。

【違反例】
住宅密集地内で、2階建て住宅に囲まれ陽当たりが悪い平屋建て住宅について、「陽当たり良好」と表示した。

さすがにこれどう考えても陽当たり良好じゃないでしょ!という物件であれば公取違反になります。しかし、そもそも、何を持って陽当たり良好というのか、個人の主観による部分が大きいので何とも言えないところですよね。たとえば、「南道路につき陽当たり良好」とか「南ひな壇のため陽当たり良好」とか、客観的にも陽当たりが良いと示せる状況的証拠があれば良いですが、単に「陽当たり良好」とか書いている物件は、本当に陽当たりが良いのかどうか、十分に現場でチェックした方がよいと思います。

予告広告とは?「販売価格:未定」

新築分譲地や新築分譲マンションの場合、ウェブサイトや折込チラシなどに「予告広告」と記載されている場合があります。この場合は、まだ販売前のため、現地モデルルームに足を運んでも、申込や契約も出来なければ、価格すら教えてもらえません。

しかし、「販売予定時期(取引開始時期)」は広告に記載が必要です。そして、予告広告を展開した媒体で本広告(販売開始広告)で告知をしなければなりません。

分譲業者は、予告広告を展開し、物件の戸数に対して一定の比率の資料請求者を集めます。そして資料請求者を「事前説明会(事前案内会)」に呼び込みます。その際、事前案内会でアンケートを取って分析、販売スケジュールと販売価格を練っていくという展開となります。なお、この手の手法は財閥系デベロッパーや電鉄系デベロッパーが得意としている販売方法です。

一方、大手ハウスメーカーの新築戸建分譲地では、大規模物件にもかかわらず、予告広告を展開せずに「本広告一発勝負」で販売することが多いですね。そして失敗し、目もあてられない状況になっているシーンをよく見かけます。

第1期・第2期とは?

新築分譲マンションや新築戸建分譲地の場合、「期分け」して販売することがありますね。「第1期」「第2期」といった具合です。期を分ける最大の理由は、期ごとに「完売」という最強の広告ワードが手に入るからです。

ウェブやチラシでも「第1期完売御礼!第2期いよいよグランドオープン!」とかありますよね。やっぱり、完売というワードがあるかないかで全然集客力が違ってきます。「第1期・第2期連続完売!って、第1期10戸で第2期は1戸だけじゃないかよ~」という強烈なツッコミを入れたくなる物件も中にはあります。

あとは、期の中でもさらに「次」で区切って「第2期7次」とかやってる物件もありますが、見る人が見たら「結構販売に苦労してるな~」と思ってしまいますね。

建築条件付土地とは

「建築条件付土地」とは、宅建業者が「自己の所有する土地を販売するに当たり、自己と土地購入者との間において、自己又は自己の指定する建設業を営む者(建設業者)との間に、当該土地に建築する建物について一定期間内に建築請負契約が成立することを条件として販売される土地をいう。」ものとされています(表示規約第4条第6項第1号)。

建築条件付宅地の場合は、土地の不動産売買契約を交わした後、一定期間内に指定建設業者と建築請負契約を結ぶ必要があります。なので、好みのハウスメーカーや工務店で施工出来ないということですね。しかし、「土地の売価を上げる代わりに建築条件を外してもらう」交渉をすることも出来なくはないです。

今の家賃とお比べください!月々○万円台で買える!

わたし自身は、「今の家賃より高いか安いかだけを基準に不動産を購入することには消極的」な考えの持ち主です。

【参考】 「賃貸」vs「購入」どっちが得?!家賃は無駄?マイホーム論争に終止符を打つ

しかし、一般的には「家賃はドブに捨ててるだけ!購入しなきゃもったいない!」という考え方が根付いてるし、根付かせてるし、不動産屋自体がそう思っちゃってるケースもあるので、この「月々○万円台で買える!」告知がよく効くんですね。

ひとまず、この告知で注意しておきたいのは、“ほぼ100%”の確率で「変動金利」「35年返済」で計算している点です。

「変動金利」というのは、金融機関が企業に融資をする際のベースとなる「短期プライムレート」に連動した金利で、簡単にいうと「変動リスクはあるが、金利が低い」という金利タイプです。しかし、リーマンショック以降、各金融機関「金利優遇競争」の消耗戦に突入し、変動金利はもはや「これ以上下がりようがない低金利水準」にまで来ています。上がるかは分からないけど、もう下がりようはない水準ということです。

そして35年返済というのは、住宅ローンを借入する際に「最長で組める期間」です。まあ、35年返済で組むこと自体が悪いことではないですが、35年返済にすることで、おのずと月々支払いが安く見えます。

つまり、「月々○万円で買える!」というのは、”一番安く見える”月々支払い額に過ぎないということです。

取引態様

取引態様は「物件概要」に必ず記載されています。取引態様には「売主」「媒介(仲介)」「代理」のいずれかが掲載されており、「売主」の場合は仲介手数料がかかりません

おとり広告

 表示規約第21条(おとり広告)では、事業者は次に掲げる広告をしてはならないと規定しています。

ア 物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示
イ 物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示
ウ 物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示

タイムリーに情報を表示するのは現実問題として無理です。さっき申込が入ったばかりで、インターネット上にはまだ掲載されている、というケースはよくあるし、ありえます。しかし、鼻からそんな物件は存在しないのに 、”架空物件”で集客して別の物件を紹介しよう…というので業務停止を食らう不動産業者は「一定のペース」で出てくるのが実態です。

物件のチラシが入っていて、問い合わせをした際に「実はその物件もう売れちゃったんです」と言われたら、「あ、そうですか、分かりました、ごきげんよう」でよいと思います(もちろん、本当に物件が存在していて、本当に売れてしまったケースもあるとは思いますが)。

営業としては「いや、ほかの物件もご紹介出来ますよ」と当然言います(わたしも言います)けどね。不動産探しは「物件ありき」が間違いないです。

 

まとめ

しかし、こうして色々書いていたら、「ああ、こんなこともあったな」と笑ってしまう(実際には笑えないレベルの物まで)ようなことも思い出してしまいました。

笑えるレベルのものとしては、他社が販売する新築分譲マンションの公式ウェブサイトで「抽選!どっちの箱を開ける?片方はアタリ!片方はハズレ!」という企画で、どっちをクリックしても絶対に「2,000円のギフトカード引換券」が当たるとか;「どっちも当選のページにリンク貼ってるじゃん!」という;

他にも多々ありますが、長くなってしまいそうなので、とりあえず重要と思える点をご紹介しました。また、追記していくかもしれません。

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2 件のコメント

  • aokitraderさん、こんばんわ
    個人的には今の低金利であれば、変動金利の35年ローンであっても購入は得だと思っていますので、どちらかといえば購入派ですかね。
    ただ、新築や築浅物件はとても高いので築年数が20年以上のものをたまに見に行きます。
    先日は事故物件(高齢の独身者が亡くなって、発見されるまで3日ほど経過)のものを見に行きましたが、築が40年近くで65平方メートルほど、5階建ての3階で最寄駅から徒歩10分ほど、もちろん要リフォーム物件でしたが、価格が240万円ほどで管理費、積立金の滞納とかもなかった感じでした。
    購入を検討して株を売却、お金ができたら一括購入を目論んでいましたが、いざ現金ができたら売れていた感じでしたね。
    自分で住むならDIYで壁紙張替えとか色々としてみたかったので、少し残念でした。
    一方、大家もやっていたこともありましたが、使っていた不動産屋は質の悪い入居者をつけても、家賃が入れば問題ないという考えでしたので、色々とトラブルがありました。
    あくまで個人的な考えですが、東京オリンピックまでは金利が据え置きだと思いますし、価格の安い築古のマンションならば一括購入できる資金があっても頭金を一部出して住宅ローンに頼り、金利が急上昇したときに一括繰上げ返済が一番いいと思っています。

  • guguさん、こんにちは。

    事故物件でもそのスピード感で売れてしまうということは、結構魅力的な物件だったんでしょうね。

    住宅ローンの変動金利は、依然として低金利水準が続いてます。低金利で借りれるものは借りてしまって、手元に残した現金は運用して殖やし、金利上昇場面で繰り上げ返済に充てる…という積極的運用もアリなのかもしれませんね。

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