「住宅ローン事前審査」を購入する物件が決まる前に通すメリット・デメリット

マイホーム探しをする際、不動産屋の営業さんからこう言われることがよくあります。

「まずは住宅ローンの事前審査を通してみませんか?」

しかし、購入する物件が決まっていないにもかからわらず、住宅ローンの事前審査を通してもよいのでしょうか?今回は、購入する物件が決まる前に住宅ローンの事前審査を通すことによるメリット・デメリットをご紹介します。

 

目次

「住宅ローン事前審査」を通しておくことのメリット

住宅ローン事前審査とは?

住宅ローンの事前審査とは、不動産売買契約「前」に行う住宅ローン借入審査です。

[aside type=”normal”]なお、不動産売買契約後に行う正式審査は「住宅ローン本審査(正式審査)」といいます)。[/aside]

買主は、物件購入前に「住宅ローン事前審査」を行うことで、以下の内容を把握することができます。

  • 住宅ローン借入可能額(例:3,500万円)
  • 返済可能年数(例:35年返済)
  • 金利優遇幅(例:通期優遇▲1.7%)

なお、事前審査に要する時間は、動きが早い金融機関で、平日ベースで1日~2日、長くても5日ぐらいです。そのため、月曜に金融機関に提出すれば、金曜日には審査結果が出ていることがほとんどです。



メリット1:予算が分かり、物件が探しやすくなる

住宅ローンの事前審査を通すことで「住宅ローン借入可能額」が把握できます。

そして、その「住宅ローン借入可能額」と貯蓄している住宅購入用資金「自己資金」を足した金額がおのずと「物件購入総額(物件金額+諸費用)」となります。

そのため、住宅ローンの借入可能額が分かれば、自分が探すべき不動産のトータル金額(予算)を把握でき、物件を探しやすくなるということです。

よくあるケースが、自身の借入可能額があいまいな状態で物件を探しつづけ、気になる物件が見つかったので内見し、「気に入ったので買おうと思ったら、まったく予算が足りません」というパターンです。

これでは、ポータルサイトで探したり、実際に内見するのに費やした時間がすべて水の泡になってしまいます。

マイホーム探しの序盤に住宅ローン事前審査を通しておくことで、こういったケースを防ぐことができます。

後に借入金額を「減額」はOK

住宅ローン借入可能額の審査結果が仮に3,500万円で承認されたからといって、住宅ローンを3,500万円借りなければいけないということではありません。

住宅ローン本審査時や、その後の金銭消費貸借契約(金融機関と行う住宅ローンの契約)の際に、事前審査の結果から実際に借入する住宅ローン借入額を「減額」する分についてはまったく問題なしです。

しかし、金融機関の営業さんからすれば、融資額が減って残念がるかもしれませんが…。

メリット2:話もスムーズに進みやすく「指値交渉」しやすい

次いで、住宅ローン事前審査を通しておくことのメリット2つ目です。

中古物件や仲介による土地を購入する場合、気に入った物件が見つかり、いざ購入する意思を固めた場合は、不動産仲介業者に「買付申込書」を記名押印して渡します。

当然、満額購入というパターンばかりではなく、多少は「指値交渉(値引き)」もしたいでしょう。

ここで、「住宅ローンの事前審査」を既に通していると、話がスムーズに進みやすく、「指値交渉」も若干しやすくなります。

もし、住宅ローン事前審査をこれから提出、あるいは事前審査中の場合、売側の売買仲介業者や売主さんからすれば、「値引きをお願いしますと言われても、買主さんの住宅ローン審査が通っていない以上は、交渉云々の前に、まずは審査結果待ちですね」という強気のスタンスで出てこられる可能性があります。

もちろん、その物件が売却開始してからの日数や進捗状況にもよるところですが、審査が通っていない以上、売主側の方が強い立場にあります。

明らかに買主の属性(勤務先、年収、自己資金、勤続年数、他残債なし、健康状態OK)が良くて、どう考えても 99%審査が通るでしょう、という場合は上手くまとまりやすいですが、「うーん。審査通るとは思うけど、返済比率もギリギリだし、何とも言えない…」という場合では、交渉に使える材料が弱いですよね。

住宅ローン事前審査に必要な書類

住宅ローンの事前審査に必要な書類は以下の通りです。

  • 住宅ローン事前審査申込書
  • 認印
  • 本人確認書類の写し(運転免許証等)
  • 健康保険証の写し
  • 源泉徴収票の写し(直近分)

個人事業主の方は、源泉徴収票の代わりに「過去3年分の確定申告書写し」があればOK。また、もしオートローン等の残債がある場合は、車のローンの「支払予定表写し」が必要です。

オートローンの残債がある場合、住宅ローンの借入可能額が大きく減るのでご注意ください。

また、長期固定金利フラット35の場合は、認印でなく実印が必要なケースもあります。

注意点

なお、「住宅ローン事前審査」を行う際、金融機関は担保とする不動産の評価も同時に行います。

仮にとある物件Aで事前審査が通っていても、購入したい物件Bでは担保評価が低くて審査が通らない…というケースもありえるので、その点をご留意いただければと思います。

 

「住宅ローン事前審査」を通すことによるデメリット

「再来アポ」を取られ、営業側のペースに巻き込まれやすい

不動産営業側の目線で考えた場合、最終目標は「買付取得~売買契約~残金決済して仲介手数料を入金」することです。しかし、何千万もする住宅の購入で即購入を決断する方というのは稀ですよね。

そのため、不動産の営業は次回アポ(再来)を取得をしながら、徐々に徐々に検討客を購入の方向に進むようにペースを作っていきます

新築分譲マンションの大手デベロッパーの場合は「再来率」という指標があり、一定水準を基準として分譲戦略の判断指標としているぐらいです。

保険の営業を受けるときもそうですね。「このつづきは次回にしましょう」と再来アポを2、3回挟んだ上で、気づいた時には契約してしまっている展開がよくあります。

「住宅ローン事前審査」は申込してから結果が出るまでに2日~5日ほどかかるため、「次は事前審査の結果をもとに探していきましょう」という理由付けがしやすいんですね。

「住宅ローン事前審査」はお客さんにとってのハードルも低いので、「土日アポ⇒土日アポ」という展開を作っていくのにちょうどよいのです。



まとめ

まだ買うか分からないし…ということであれば、無理に住宅ローン事前審査の承認をもらっておく必要はないかもしれません。

ただし、「来年の春、子供が小学校に上がるまでにはほしい」等、ざっくり半年以内には住宅を購入したい、という方は、住宅ローン事前審査を通してみてもよいかと思います。

不動産会社を通さず、直接金融機関に住宅ローンの審査をすることもできます。借入可能金額は把握したいけれど、不動産会社の営業にペースを握られるのは嫌…という方は、金融機関へ直接、「事前審査の申込」を検討してもよいかもしれません。

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