「信用買い評価損益率」を相場転換の判断に。マーケットアナライズダッシュボード

普段見ている投資番組のひとつに「マーケットアナライズ」という番組があります。「BS  Twellv」で毎週土曜日13時から放送している番組です。出演者は岡崎良介さんと鈴木一之さんです。

そのマーケットアナライズの2015年4月4日(土)放送回より、「マーケットアナライズダッシュボード」という企画が始まりました。株式投資をする際に参考になるこれは外せないという「経済統計」を、個人投資家やアナリストから聞いてみようという企画です。

その第一回となる、夕凪さんご紹介の「信用買い評価損益率」が面白かったので、ご紹介したいと思います。

 

目次

信用買い評価損益率

ゲストは夕凪さんで、「信用買い評価損益率」をご紹介されていました。

信用評価損益率とは、信用取引を行っている投資家がどれくらい含み損益を抱えているかをパーセンテージで表した指標です。

一般的に、個人投資家は評価益が出るとすぐに利益確定を行う傾向が強いため、通常、信用残高は含み損を抱えている状況になります。そのため、信用評価損益率はマイナスの値を示すことが多く、概ね0%~-20%で推移します。

信用買い方の評価損益率が-20%を下回ると「追証」が発生する水準となり、-20%前後で底入れの目安、反対に0%に近づくと天井圏に達したと見なされます。

引用元:信用評価損益率のご紹介|松井証券

「プラスになると利益確定する」ため、信用売買している人の買い側の評価損益率は、大体マイナス圏で推移します。

 

信用買い評価損益率で相場を3つに分ける

相場は連続的ではない。場面によって全く違う姿を見せてくれる。

引用元:マーケットアナライズ番組内の@夕凪さんのコメント

「信用買い評価損益率」で「水蒸気・水・氷」3つの相場に分ける
状態 分岐目安 有効な戦略
水蒸気 マイナス3%以上 買い
マイナス4%~マイナス15% 買い・売り
マイナス16%以下 売り

 

夕凪さんは、「信用買い評価損益率」を指標とし、上記のように相場を「水」に例えています。

水蒸気:マイナス3%以上

買いが有効で売りが苦しい相場。売りはやらずに株を持ってた方が良い。買いの手法ならどんな手法でも効き、テレビ番組で株が紹介されたら上がるというような相場。アベノミクス直後に水蒸気相場に入り、2013年4月「金融緩和」の後に信用買い評価損益率は10%付近まで上昇。なお、サーキットブレイカー発動の2013年5月23日「バーナンキショック」以降に水相場に戻ってきている。

水:マイナス4以下~マイナス15%

売りも買いも有効な相場。

氷:マイナス16%以下

損がある一線を下回ると「氷」。リーマンショックの後は「信用買い評価損益率」がマイナス40%を下回り、相場が凍りついてしまう。買う方はかなり苦しいので、買っても株価が上がらず、売りの方が有効である。売りが苦手な人は現金で持っていた方が資金を失わない。

 

相場の場面により手法を変える

上記の「信用買い評価損益率」の分岐点を超えてきたら買いと売りの「投資戦略」を変えていくのが有効です。

ちなみに相場によって「投資戦略を変える必要性」について、夕凪さんのコメントで面白かったのがもうひとつ。

水蒸気の相場ではどんな投資手法も効いてしまう。かつ、個人投資家の億万長者が出やすい時期。そうすると、そういう方々が本を出す。しかし、ここ(水蒸気相場)だけに効く投資法が多かったりする。

確かに、最近書店に行くと「億万長者系」の煽りタイトル系の本がたくさん並んでいますよねー。

 

信用買い評価損益率をチェックする方法

「信用買い評価損益率」は日本経済新聞に週1回公表されているようなのですが、夕凪さんは松井証券の無料メルマガでチェックしているとのことでしたので、私も登録してみました。

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引用元:日経平均と評価損益率(買い方)|松井証券の無料メルマガ

ちなみに、昨日2015年4月23日のメルマガをチェックしてみると、信用買い評価損益率は「-3.08%」。ということは、水相場を脱却して水蒸気相場に入ろうとしている状態と言えます。水蒸気相場に入って上昇スピードが増していくのか、あるいは反転して水相場に戻っていくのか。

しかし、ここ最近日経平均が20,000円を目指して強気の相場が続いていたことと、相場の格言「セルインメイ(Sell in May)」が近づいてきていることもあり、一気に水蒸気相場に入っていくのは厳しいのではという気もしてしまいますが…。

 

まとめ

上記のように「日銀を脅すような発言をする議員」もいる状況下、今年のセルインメイはひと足早い今月末にやってくる可能性もありそうですね。月末動きそうだなー。

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