元不動産営業が選ぶ「注文住宅」で絶対に後悔する間取り・プラン5選

私は約6年間「新築戸建分譲地」の企画販売営業をしていました。

分譲企画の重要な要素に「間取りの選定」があります。間取り図の設計は設計士の先生に外注しますが、プラン変更等を経て、最終的なGOサインは営業が決定します。

設計士の先生が作りたいプランと、実際にお住まいになられるお客様のニーズに合うプランとの乖離があるので、そこを上手く調整していきます。

しかし、実際に案内および販売をしながら「あ、ヤバイ。この間取り使いづらい…。」と後から気付いたり、あるいはお住まいになったお客様から「ここがこうだったら良かったのに」というご意見を直接いただくこともあります。

 

目次

注文住宅でやってはいけない間取り5選

さて今回は、自身の経験から「注文住宅ではやってはいけない間取り5選」を選んでみました。

細かいことを挙げるとキリがないので「これはだけは絶対ダメ…」という特Aランク5選です。注文住宅のプラン選定の際に参考にしていただければ幸いです。

[aside type=”normal”]「リビング階段だけじゃない?子育て世代に人気の新築一戸建の間取り」という記事もありますので、後ほど合わせてご覧いただけますと嬉しいです。[/aside]

その1 「LDK」と「トイレ」が同じ空間にある

誤解のないようにしておくと、リビングやキッチンに便器があるわけではありません。トイレにきちんとドアもあります。

正確に言うと、「リビング・ダイニング・キッチン」と「トイレ」の間に「廊下等の仕切り」がないということです。つまり、トイレで用を足した後にトイレのドアを開けて出た空間が廊下ではなく、直接リビング・ダイニング・キッチンということですね。

たとえば、奥様が一生懸命料理をしてる時に、キッチンの目の前にあるトイレのドアを開けて旦那さんが出てくるシーンを想像してみてください。耐えられますか?

私はこの間取りは特にNGを出していました。建ててしまっては最後、もはや建てたこともありませんが、この間取りだけはNGです。

しかし、大手ハウスメーカーの注文住宅でも平気でこういう間取りで建築されていたりします。

結局、建売分譲の場合は売れない間取りを作るとリスクはデベロッパー(売主)にくるので、間取り選定の段階でストップできますが、注文住宅の場合はとりあえずお客さん(施主)が納得してそうであればハウスメーカーはスルーすることもできてしまうんですよね。

[blogcard url=”https://aokitrader2.com/house-maker-salesman-not-believe”]

[aside type=”normal”]トイレネタでいうと、玄関ドアを開けた時にトイレのドアがガッツリ見える間取りもアウトです。トイレから出た瞬間に宅配業者さんとかと目が合うの最高気まずいです。玄関ドアを開けてトイレのドアがガッツリ見える間取りは、売れ行きが芳しくなかったです。[/aside]



その2 バルコニーの「奥行き」が狭い

バルコニーの奥行きが実寸60cmくらいしかない間取りは売れ行きも評判も結構厳しかったです。いくら横幅がワイドスパンで布団をたくさん干せても、奥行きが狭いと「洗濯物干す時にかなりストレス」になります。

実際、最近のトレンドとしてはバルコニーが広めの方が売れる傾向にはあります。「バルコニーでバーベキューしたい」とか「バルコニーでコーヒー飲みながら読書したい」とかの夢をお持ちの方もいらっしゃるからですね。

しかし、バルコニーに使われている「FRP防水」という10年保証の防水は火が付くと穴が開くリスク(漏水)があります。そのため、バルコニーで行うバーベキューはかなり危険です。特に、下がリビングだったりしたら最悪です。タバコも危険です。意外と知られていません。

また、バルコニーでコーヒーを飲みたいという夢の場合、キッチンはどこですか?1Fにキッチンがある場合、いちいち階段を上り下りして運ばないといけません。お住まい後に1回やってみてその現実に気付き、二度とやらないお蔵入りの夢…というのもありがちなパターンです。

バルコニーは「洗濯物干す時にストレスなく干せるスペース」さえ確保してあれば良いかと思います。ただ、分譲地の戦略上「魅せる間取り」としてモデルハウスなんかで6畳のバルコニーとかをあえて作ったりはしていましたが…。

[aside type=”normal”]バルコニーネタで余談ですが、「バルコニーに蛇口」を付けておくと便利です。布団干す時に手すり洗ったりとか、バルコニーで育ててる観葉植物に水与えたりとか。蛇口がないと2Fの洗面台からホース引っ張るか、水をバケツで汲んで来なければいけません。ちなみに、シンクまで付けると金額が跳ね上がるので、なくて良いと思います。[/aside]

その3 「玄関スイッチ」がホール上がった奥にある

嘘みたいな本当の話です。稀にあります。これを建売でやってしまうと、担当営業が地獄を見ます。

夜出かける時に、靴を履いてから電気消そうと思ったらスイッチがないというパターン。「あれ、靴脱がないとスイッチ届かないじゃん!」⇒脱いでスイッチを消す⇒あれ、靴どこ?暗くて見えない…。

[aside type=”normal”]類似例として、ベビーカーやゴルフバッグを置いたりするのに便利で大人気の玄関横のシューズインクローゼット(S.I.C)。収納の中にスイッチ付けると最悪です。物が邪魔をしてスイッチが押せなくなる可能性も…。[/aside]

その4 「LDK」からしか洗面所(脱衣所)に入れない

一見何も問題ないように見えますが、洗面所はお風呂に入る時の脱衣所でもあります。

将来、思春期になった娘さんの気持ちを想像してみてください。

蒸し暑い夏場の時期、風呂から上がり、洗面脱衣所に出ました。でも、リビングには父親がいます。バスタオルで体を巻いて出たくありません。そのため、暑い中、パジャマに着替えなければなりません。

逆に、思春期の娘のいるお父さんの気持ちを想像してみてください。

蒸し暑い夏場の時期、風呂から上がり、洗面脱衣所に出ました。でも、リビングには思春期の娘がいます。バスタオルで体を巻いて出ると娘からのクレームが発生します。そのため、この暑い中、パジャマに着替えなければならないのです。

洗面所から廊下に出ることができれば、タオルのまま自分の部屋に向かうことは可能です。



その5 とにかく家具配置がしづらい「LDK」

家族の憩いの場所、LDK。そんなLDKも家具の配置を考えずに設計すると、すべてが台無し。使いづらくストレスの溜まる空間となります。

特に最悪なケースとしては「テレビ画面の前を通らないと通り抜け出来ないLDK」です。

感動する映画、サッカー日本代表の中継やプロ野球中継を見ている時に、いちいちテレビの目の前を通られたら…ちょっと嫌ですよね。建売でも時々見かけます。間取り図上で見てると気付かず、住んでみてから気付くことが多いです。

あとは、上記をクリアしたとしても、「ソファの後ろのスペースが狭くて通り抜けしにくい」とかもなかなかストレスです。



 

まとめ

マイホーム購入をお考えの方がまず思い浮かぶのは「注文住宅」だと思います。自分でオーダー出来るのであればオーダーメイドにしてみたいですよね。

一方、建売分譲というと「何だか無難で同じようなものばかり」というイメージが根強いかと思います。

建売はデベロッパーがリスクを背負うので売りやすい無難な間取り

しかし、建売は無難だけど使いやすい間取りが多いのも事実です。

建売の場合、販売状況が乏しい場合は「売主」である不動産業者(デベロッパー)がリスクを背負うことになります。不動産業者としては引渡しをして売上ないことには資金を回収できません。

中にはローンを借入をして土地を仕込み、建物を建てている場合もあります。販売期間が長期化し、利息を払い、そのうえ値引きをして赤字になったら踏んだり蹴ったりです。そのため、(当然ではありますが)建売分譲を計画する際は、できるだけ売りやすい無難な間取りに仕上げています。

売りやすいということは万人受けしやすい使いやすい間取り。つまり、急な転勤等で中古住宅として売却する際も売りやすい間取りが多いのです。

万人受けしない唯一無二の間取りは売りづらい

「注文住宅」の場合、ハウスメーカーや工務店の営業にリスクはありません。そのため、担当した営業マンが適当な性格の場合、ハイハイ進めていくと、「何だこれ?」という間取りになってしまったりします。

当然、万人受けしない間取りは中古住宅として売却する際に売りづらくなります。注文住宅を計画される際はメーカーのプラン集に掲載されている間取りや、建売の間取りをベースにしながら検討するのもよいかもしれません。

ここで、「中古住宅で売ることは考えてない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、さいごに、ひとつお伝えします。今現在マイホームの売却活動している方々は、建築・購入した当初は「売るつもりのなかった」方がほとんどです。

いかがでしたでしょうか?間取り選定の参考になれば嬉しく思います。

さいごまでお読みいただき、ありがとうございました。

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